薬剤耐性インフルエンザウイルス

国立感染症研究所が公表しているインフルエンザ流行の最新情報(1月21日現在)によると、患者数をモニタリングしている定点観測医療施設で、1週間の平均患者数が20を超え、これは前週に比べてほぼ倍増していることになり、急速に流行が拡大していることを示唆する数字となっている。
現在全都道府県で注意報、または警報が出されており、極めて警戒レベルが高いといえる。当分の間は一層の感染予防が求められる。

国立感染症研究所が全国776人の患者から検出されたウイルスを分析したところ、Aソ連型(53.2%)、A香港型(36.2%)、B型(10.6%)となり、流行の主流がソ連型ウイルスであることが明らかになった。さらに驚くことに、このソ連型ウイルスは99.1%にタミフル耐性が認められたという。

今季、ソ連型が多いことと、タミフル耐性が多いことと関連があるのかどうか今のところ不明ではあるが、タミフルにあまりに頼り過ぎている現状に関して、十分な注意が必要であることは間違いない、具体的な対策が求められる。 

タミフル耐性ウイルスの出現が問題になってきたのは昨年のこと。もちろんそれまでも研究者の間では危惧されていたが、一般的に知られるようになってきたのは最近のこと。タミフルの使用量が突出している日本や香港では大きな問題であり、今後インフルエンザ治療薬の選択の幅が狭まることも考えられる。

現在、新型インフルエンザに備えてタミフルの「備蓄」を急ぐ企業も少なくないが、タミフルさえあれば安心というわけにはいかないことは明らかだ。新型インフルエンザが最初からタミフル耐性であるかどうかわからないが、タミフル耐性インフルエンザウイルスがこれほどまでに急速に増えてきたことは、新型があらわれる時期が遅くなればなるほど新しいウイルスが耐性をもって出現する可能性が高くなる。2年後、3年後にタミフルが全く効かないという事態もまったくない話とは言えない。

病原菌(ウイルス)に対して最も強力に働くのは、人間の免疫力だ。手洗いやうがい、あるいはマスクなどの感染予防の手段に加えて免疫力を落とさない努力が重要だ。その意味で予防接種は重要だ。

免疫力には食事が大きくかかわる。単純に色がある食品は免疫力強化に役立つと思っても構わない。そのほかキノコ類も外せない食品だ。やたらとサプリメントを摂取することも、費用対効果の面では疑問が大きい。軽い運動や肥満の予防なども、間接的に免疫力強化につながる。

感染症が怖ければ、喫煙をやめることは最初に行うべきことかもしれない。ここでその理由は解説しないが、禁煙は健康維持増進に最も効果があることは多くの専門家が指摘することだ。