日本国内で新型インフル感染拡大

関西地方での新型インフルエンザの患者数が急増しており、これまでに96人の感染者が確認されている。感染者は高校生に集中しており、学校での集団生活や若者のライフスタイルも感染を広げている原因ではないかと専門家は見ているようだ。

これま日本へのウイルス侵入を断固阻止しようと空港や港での検疫体制を強化してきたが、チェック体制をすり抜けて既に国内にウイルスが侵入していることが明らかとなった以上、これまでの検疫体制を見直す必要が出てきたのではないだろうか。

メキシコや米国などこれまでに感染拡大が認められていた国からの航空便、船舶の乗客乗員に対して、機内(船内)検疫を行なってきたが、防護服に身を固めた職員が発熱患者などの発見に向かう姿は物々しく、恐怖心を煽ってきたようにも思う。
一般の人に対して、H1N1インフルエンザに対して何かとんでもない恐ろしい病気のような意識を植えつけてきたことは間違いなく、感染した高校生や学校などに言われなき誹謗や中傷、差別が投げかけられた原因になっているのではないだろうか。

その検疫体制も感染拡大とともに対応が困難になりつつあり機能不全寸前の状態だそうだ。病院に設けられている発熱外来も、関西地方を中心に受け入れ体制が間に合わなくなってきており、このままでは一般の診療にも支障が出てしまうという。

今回問題となっている新型インフルエンザは、感染力はそれなりに強いようだが、毒性は季節性インフルエンザとほぼ同じ程度であることが既に明らかになっている。そろそろ季節性インフルエンザと同じ扱いにしても良いのではないだろうか。

現在、感染者が出た自治体では、該当の学校に限らず、市内のすべての学校を休校にするなどの措置がとられているが、明らかに過剰反応だ。北九州市の学校では、関西地方への修学旅行から帰った生徒の登校停止を求めている。学校が無知であるのか、あるいは万一感染者が出た場合の糾弾を恐れてのことなのか、いずれにしてもまったく馬鹿げた話だ。季節性インフルエンザと同等の扱いにするのであれば学校閉鎖はもちろんこと学級閉鎖にも該当しない。修学旅行を中止したり、帰ってきた生徒を登校させないなどという措置がとられるはずもないだろう。イベントの中止も相次いであるが、冷静に対応するべきだ。

季節性インフルエンザでは、日本国内だけで毎年数百人から千人、見方によれば1万人もの死者を出していると推計されており、全世界では毎年数十万人がその犠牲になっているという。
それにもかかわらず季節性インフルエンザに対して、我々は今回の新型インフルエンザのような認識を持っているわけではない。H1N1新型インフルエンザに対して騒ぐのであれば、毎年インフルエンザ患者が増える冬季には、パニックが起きてもおかしくはない。

関西地方では多くの人がマスクを使用しているが、皆どのような意識で着用しているのか?たぶん全員が自分が感染しない手段としてマスクを着用しているのだろうが、その効果の程は「しないより、したほうがまし」程度。それよりもマスクは感染者からのウイルスの排泄を防ぐという意味合いの方が大きい。感染したら周囲の目が怖いという気持ちが大きくはないだろうか。

どんなに感染を防御しようとしても、感染を確実に予防することはできない。マスクも手洗いも、そしてウガイもだ。もちろんインフルエンザに限らない基本的な衛生管理としてはこれらは有効であるが、感染しても発症しない免疫力を維持することがとても大切だ。

感染者はこれからも増え続ける。米国では10万人に達するだろうという専門家の見方もある。(季節性インフルエンザの患者数は米国内だけで毎年2000万人!)WHOも間もなくフェーズ6への格上げをすることだろう。フェーズ6は人から人に持続的に感染が拡大していることを意味するだけで、その毒性などを考慮したものではない。季節性インフルエンザも、流行シーズンはパンデミックといえフェーズ6に該当する。
H1N1新型インフルエンザに対しては、そろそろ扱いを季節性インフルエンザと同じにするべきだろう。