新型インフルエンザ流行ピークは近い?

豚由来の新型インフルエンザが猛威をふるっている。香港の確定患者数は13318人(9月4日まで)。日本では患者数のカウントは行なっていないが、定点観測している医療機関(約5000箇所)での患者数から8月最終週の医療機関受診患者数を14万人と推計している。
米国のある大学では2000人にも及ぶ大規模な集団感染が一度に起きたことが報じられているなど、感染拡大は猛烈な勢いで続いており、衰える気配は今のところない。

最近、身近で感染を耳にするようになってきたが、それだけ感染が拡大している証拠といえる。友人知人にも感染者があらわれてきたのではないだろうか。もちろん誰がいつ感染しても不思議ではない状況であり、たとえ自分の学校や社内で感染者が現れたとしても特段驚くこととして受け止めることではない。

新型インフルエンザのピークは今月下旬から10月初旬になると一部専門家が予想しているが、現在の感染拡大状況からすると、統計的に判断しておそらくかなりの確率でそのとおりのピークを迎えるのではないかと思われる。流行のピークがどのくらいの期間継続するかが問題ではあるが、このような感染症の流行は必ず終息するもであり、冷静な対処が必要だ。新型インフルエンザに感染しても発症しない感染者も少なくはないはずだ。日本で最初に流行が確認された関西の高校では、生徒やその関係者など数百人規模に及ぶ調査が現在行われているが、その結果で、感染者数に対していったい何人が発症していたか(発症率)が明らかになることだろう。

感染者数がこのように多くなってくると、当然のことながら不顕性感染という、感染しても症状が現れない 感染者も相当数出てきているはず。無症状であればもちろんのこと、症状が軽ければ病院にも行かないケースが多いだろう。
また香港の病院では発熱などのインフルエンザ症状が ある場合は、検査することなくタミフルを処方している。症状があって病院を受診しても、新型インフルエンザと診断を受ける患者は一部だ。毎日300~500人ほどの新規患者が報告されているが、公表されているよりも はるかに多い感染者が存在しているものと思われる。

現在、新型インフルエンザ感染からどんなに逃れようとしても、確実に感染を避けることは出来ない状況だ。幸いなことに新型インフルエンザは今のところ弱毒性だ。死亡者が出ているが、その多くは慢性疾患などを持ち合わせている人が多く、健康人にとっての脅威はそれほど大きくはない。
季節性インフルエンザで、日本国内だけでも毎年数千人から一万人もの死亡者が出ていることを考えると、現在流行中の新型インフルエンザに対しても冷静に対応できるのではないだろうか。

感染から逃れることが出来ないのであれば、感染しても軽症で治まるように日頃から良好な健康状態を維持する努力をしておきたい。少々荒っぽい言い方ではあるが、早く感染して自分自身の体内に抗体をつくっておくことが 理想かもしれない。

新型インフルエンザワクチンもいよいよ実用化される。近いうちに医療関係者など必要度が高いと思われるグループから接種が始まるが、一般にまでワクチンが回ってくるまでには、まだかなり時間がかかる。現在の流行をみていると、ワクチンを待っている間に多くの人が抗体を持つようになるので、その必要性が急速に低下してしまう可能性がないわけではない。

今やるべき新型インフルエンザ対策は、免疫力を保つ 努力だ。人体に備わる免疫システムはワクチンや抗生物質よりもすぐれた防疫機能だ。自分と他者を区別して排除する働きをする免疫は、新型インフルエンザであろうと関係なく排除しようと働く。

言い古されていることばかりだが、免疫力を維持するためには、十分な栄養と休養をとり、ストレスをうまくコントロールし、継続的な軽い運動を行うといったことが求められる。禁煙は必須だ。もちろん手洗いなど日常の衛生管理は感染予防の基本として習慣化しておきたい。