香港島にて日本脳炎患者を初めて確認
これまで新界や九龍側で今年4件(4名)の発生が確認されていた日本脳炎であるが、ついに香港島、しかも日本人居住者も少なくない海怡半島(South Horizone)で初めての患者が発生した。
患者は40歳男性。今月1日に発症して近医にて診察を受けた後、3日に銅鑼湾のセントポール病院に入院。その後5日に香港大学病院(クイーンマリー病院)へ転送され、18日からは集中治療室に入り治療が続けられているが、状況は良くないという。
患者は最近海外へ渡航してはおらず、香港内で感染したと思われるが、どこで刺された蚊がそのウイルスを持っていたのかは不明だ。日本脳炎は感染しても、発症は100人から1000人に一人だと言われており、一般的には他に多くの感染者がいるものと思われる。
日本脳炎ウイルスは豚の体内で増殖する。豚から吸血した蚊に人間が刺されることで感染することから、養豚場が近くにある場所はより危険である。個人的な見解であるが、今回の患者発生は偶発的ともいえるもので、他に感染者が同地域に多数いるとは考えられない。
日本脳炎と同じ仲間(フラビウイルス属)になる西ナイル熱は、その名の通り発祥はアフリカのナイル川流域だ。これがアメリカ東部に運ばれて、今やハワイ、アラスカなどを除く全土が感染危険地域となってしまった。これは渡り鳥や航空機によって運ばれた蚊が原因だとの説が有力だ。
つまり、日本脳炎が多い中国から感染蚊が何らかの理由で運ばれて香港で人を刺したとも考えられる。距離が短いので、今の季節なら北寄りの季節風の乗ってきたとも考えられるだろう。
香港でも一部クリニックで日本脳炎予防接種を受けることができるが、香港政府としては、単発的な発生しかないインフルエンザに対してワクチン接種を積極的に推し進めることはしないという。現状では妥当なものであろう。