ご飯3杯以上で糖尿病リスク増大
国立国際医療研究センターを中心とする研究班のまとめによると、ご飯を一日3杯以上食べる女性は、1杯だけの女性にくらべて、糖尿病になるリスクがおよそ1.5倍程度高くなるという。この調査は45歳から74歳の男女約6万人に食生活を尋ね、その後5年間追跡したもので、調査対象者を普段食べているご飯の量でグループ分けし、期間中に糖尿病と診断された人の割合に違いがあるかを分析したものだ。
この調査結果は12日のNHKニュースで報道されていたが見ていて唖然としてしまった。こんなくだらない調査をわざわざやっている研究者がいることと、貴重なニュース枠を使ってずさんな調査結果をさも有意義な調査であるようにNHKが流していることに対してだ。
ダイエットではご飯を悪者扱いする傾向が強いが、私自身これははまったく間違ったダイエットであると確信している。このニュースを見て、多くの女性がご飯抜きダイエットに走ってしまったのではないだろうか。あるいはご飯を食べないダイエットししている人は、現在のダイエット法にお墨付きが与えられたと勘違いしてしまったのではないだろうか。
調査ではご飯の量だけに着目しているが、2型糖尿病の最大の原因は遺伝と肥満だ。〈1型はインシュリン分泌に問題があるタイプで生活習慣とは関係ない)ご飯のほかに食べている副食、あるいは調査開始時点での血糖値、もっと単純に肥満度など多くの要件について調べて統計上の処理をしていないようであるが、これは極めてずさんな調査だといえる。そもそも糖尿病発症は、遺伝要因を持ち合わせている人が、肥満でその引き金を引いてしまったものが多い。そうなると調査結果に与える大きな要因として、家族の糖尿病歴も当然ながら調べあげる必要がある。これらの関連要因に関しても6万人分調べることは、かなり難しいことだと思う。だからといって端折って調査するなどとんでもないことだ。
糖尿病の大きな原因はカロリーの摂取過剰だ。食べ過ぎである。その点を強調しなければいけないはずであるのにご飯の量だけを調べたのではまったく意味がない調査になる。
コメの消費はこの50年間にちょうど半分にまで落ち込んでいる。人口が増えているのにこんなに少なくなっていることは日本人のコメ離れがとても深刻であることを意味する。今回の調査結果に照らし合わせれば、コメの消費が多かった昔は糖尿病患者もそれに比例して多かったはずであるが、コメの消費量に反比例するかのように糖尿病患者は増え続けている。米の消費が減っても、日本国民一人当たりの摂取カロリーは変わっていない。米の消費が減った分のカロリーはおそらく油脂と砂糖が補っているのであろう。これは食生活の欧米化がもたらした変化であるが、これが糖尿病をはじめとする多くの生活習慣病の増加に大きく関係していることは今や常識である。
日本人の主食は米だ!
米を余らせておいて、食料自給率が40%に満たないと騒いでいる日本。米の消費が伸びれば自給率も上がるはずなのに、NHKではその足を引っ張るような報道をしている。そして今回の調査を公表したのは国立の施設だ。こんなひどい調査に予算を付ける必要などない。施設の存在意義などなく、事業仕訳の対象に挙げるべきではないか。農業関係団体はもちろんであるが、農水省からも注文がついてもおかしくはない。
ご飯が一番おいしい新米の季節に、このような小学生の「夏休みの自由研究」レベルの調査報告をマスコミに持ち込み、それを何も考えずに放送して、この季節に美味しいご飯を食べたいと思っている人の気持ちに水を差すNHKの報道姿勢には問題あり。今朝の香港の新聞にも掲載されていたので、どこからか配信されたものだろう。
14日の世界糖尿病デーに合わせて公表された調査かもしれないが、もっと報道するべきものがあるはずだ。
報道の内容をすべて信用するのではなく、自分なりに考える姿勢も大切であることは、今回の件に限ったことではない。