生ものに注意
昔の香港国際空港の北西に隣接する九龍城地区は古くから多くのタイ料理店が集中する地域としても有名です。香港経済日報の記者がこの地域にある10軒のタイ料理店を覆面調査したところ、7軒において生エビを客に提供していたことが判明しました。
香港では刺身類を提供するには許可が必要であるほか街市(香港の市場)にて購入した生鮮を生で出すことを推奨していませんが、これらのタイ料理店では、そのどちらの条件も満たしているものではありませんでした。
香港では、タイ料理店で客に出された生エビが原因で立て続けにコレラ患者が発生したことがありました。この時は、タイから輸入されたエビを使っていたとのことですが、香港の街市であろうとタイから輸入しようとどちらも非常に危険であることに違いありません。
暑い夏に危険性が高くなる食中毒で有名なものに腸炎ビブリオがあります。海水中に棲息する細菌で海水温が高いと増殖スピードが急速に高くなります。真水では生息できません。刺身にする魚は、まず真水で全体を良く洗うことは日本では常識ですが、これは腸炎ビブリオ中毒の予防にとても大切なプロセスです。生エビはコレラ以外にも腸炎ビブリオ中毒の危険性が非常に高いものです。
海鮮以外では、やはり生肉が非常に危険です。生肉なんて食べないという方も多いと思いますが、ハンバーグは中まで火が通っていますか? 食品衛生上ハンバーブは中まで十分に加熱されていなければいけません。ミディアム程度にしか加熱していないものを出している店も少なくないようですが、ハンバーグでは危険です。O157などの病原大腸菌に汚染されないように食肉加工することは非常に難しく、それなりの施設が必要です。(そんな面倒なことしていません!)
鳥肉も危険です。日本で流通している鳥肉でも、その20~40%からカンピロバクターという食中毒菌が検出されるようです。生では一般に食べないものですが、調理過程でほかの食品を汚染する危険性を考慮しなければいけません。カンピロバクターは日本で非常に増えている食中毒原因菌です。
あまり知られていませんが生ハムも加熱処理しておらずやはり危険であり、フランスやイタリアといった本場では小さな子供には食べさせないというのが常識と言います。
話を戻しますが、生ものを食べる習慣がない国や地域で刺身などの生ものを食べるのは危険です。新鮮であれば安全だと単純に思っている節があります。エビは生きてるよ、だから食中毒なんてないよ、というのでは提供する側としては無知すぎます。いくら当局が指導しても客が求めるのであれば店は出しますから、客側で十分気をつけるべきです。
タイ料理や中華料理店で刺身を食べるような冒険はするべきではありません。また見よう見まねで始めたような「なんちゃって日本料理」も少なくありませんが、このようなところも安全とはいえず、避けておいた方が無難です。