鳥インフルエンザで死亡(シンセン)

12月31日、広東省シンセンで39歳の男性が鳥インフルエンザ(H5N1)によって死亡したことが確認され、この情報は中国衛生部よりWHO(世界保健機関)や香港、マカオなど関係地域に直ちに通報されました。死亡した男性はバスの運転手をしており、鳥を直接扱うようなことはなく、感染ルートは確認できていませんが、患者との接触があったと思われる120人からは患者の確認はありません。

鳥インフルエンザ(H5N1)は、1997年に香港で18人が感染し、そのうち6人が死亡しており、この時はさすがにショッキングなこととして世界的にも大きな影響がありました。最近ではエジプトを中心に感染死亡例が続発しているものの、少し日常的になってきたような印象です。

現在、鳥インフルエンザはアジア、中近東地域を中心に感染拡大を続けていますが、このところとくにエジプトでの感染事例が目立っており、そのほかでは散発しているといった程度です。WHOが昨年12月15日に発表した最新の統計では2003年からこれまでに全世界で573人が感染発症しており、そのうち336人が死亡しています。中国に限ってみると、40人の発症に対して26人が死亡しています。

鳥インフルエンザは北半球の中低緯度では今の時期に目立ってくるようです。これは越冬のために南下する渡り鳥がウイルスを運んでくる可能性が高いためであり、日本でも朝鮮半島を経由してくる渡り鳥にとって運ばれたウイルスが原因で、特に西日本の養鶏場で何度か大きなダメージを受けています。

鳥インフルエンザは今後、ヒトあるいはブタの体内で変異をして、人から人に感染しやすいタイプに生まれ変わる危険性が大きく、WHOにとっても目下最上級の監視対象となっていることは間違いありません。豚由来の新型インフルエンザはすでに季節性インフルエンザとして定着してしまいましたが、本当に危険視されていたのは、鳥インフルエンザです。今後の動向には十分注意する必要があります。

一般の人々の場合、これまで同様に自身の衛生管理に注意してください。基本的には従来のインフルエンザ予防と同じです。手洗いの励行は最重要ですが、鳥由来ウイルスに対しては、鳥への接触を極力避けることが大切です。ペットとして飼っている鳥類は屋外には出さないでください。野鳥からの感染を防ぐためです。当然のことながら死んだ野鳥には近づかない方が無難ですが、現状では神経質になる必要はまったくありません。生きたニワトリには触れないこと。野鳥には、逃げるので近づくことはまずできませんが、弱っている鳥がいても絶対に触れないこと。ハト等に餌をやることも止めましょう。エジプトで患者発生が多いのは、食用のハトを大量に飼育し、その糞も肥料にしているからだと個人的には思っています。鳥の糞は最も危険です。

なお同じ鳥インフルエンザでも高病原性や低病原性などタイプが分かれることから、高病原性のものをHPAI(High Pathogenic Avian Influenza)と呼ばれています。今後、マスコミでもHPAIと呼称されるようになる可能性が考えられます。