コレステロールについて(続)
善玉コレステロールと悪玉コレステロールについてです。
先のメールでは確かにこの点には触れていませんでしたが、何かと話題が多く一般的にはとても気になるところ
ですね。実はコレステロールそのものには良いも悪いもないのです。
コレステロールは肝臓で代謝・合成され、血流に乗って全身に送られます。細胞をつくったり、ホルモンをつくったりする大切な「原料」となるコレステロールが肝臓から供給されているのですが、このコレステロールを悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と呼んでいるのです。必要があって肝臓から送りだされているのに何か変ですよね。LDLコレステロールにとっては、きっと迷惑話しであるに違いありません。LDLコレステロールが多すぎると、動脈硬化の原因となりひいては循環器系疾患のリスクを高めるということで、このコレステロールをあえて悪玉と呼んでいるにすぎません。
一方で善玉コレステロールですが、これは末梢で余ってしまったコレステロールが、肝臓に帰る途中にあるものです。末梢から回収されてくるコレステロールが多ければ、動脈硬化のリスクが低くなるという理由から、善玉コレステロール(HDLコレステロール)と呼んでいるわけです。
では、LDLあるいはHDLとは何でしょうか。コレステロールは単独で血液に溶けることはできません。そのためリポ蛋白という担体に結びついて血液に溶ける事ができるようになるのです。油汚れは洗剤で落とすことができますが、これは洗剤の成分が油と結びついて水に溶けるようになるわけです。リポ蛋白も同じだと考えても理屈上はかまいません。
LDL Low Density Lipoprotein(高比重リポ蛋白)
HDL High Density Lipoprotein(低比重リポ蛋白)
リポ蛋白の比重が重いか軽いかだけの違いです。
最近はコレステロールの治療を開始する基準を、日本ではLDLコレステロール量のみで決める傾向がありますが総コレステロールもHDLコレステロールも無視してLDLコレステロールが140㎎/dlを少しでも超えたら投薬してしまうという乱暴な医者も中にはいるようです。ちなみにLDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールを引き、さらに中性脂肪の20%を引くという簡単な計算で求めることができます。最近は直接測定することも多くなってきましたが、このような計算で簡単に、しかもかなり正確にその量を知ることができます。
(ただし中性脂肪が400㎎/dl未満のみ)
最近、コレステロールに関して、あまりにも脅され過ぎているようです。前回のメールと合わせて、コレステロールについて今一度考えていただければ幸いです。