健康と経済
なんだか堅苦しいテーマのように感じるかもしれませんが要は「健康になれば経済的に得する」というお話です。
厚生労働省が、2009年度にメタボリック健診(特定健診)を受診した40歳から74歳の人のうち、前年度の医療費がわかる人を対象に医療費の変化を調べた統計がネタです。
その数269万人にものぼりますから相当大きな母集団となり、統計的にはそれなりの意味を持つものになっています。
それによると、メタボリック症候群と診断された人の医療費はそうではない人よりも年に8~12万円多いことがわかったといいます。ちなみに40~49歳の男性の場合は、その差が10万円程度になるそうです。
日本の健康保険制度では。70歳未満は3割負担(70歳以上の後期高齢者は1割負担)なので、40歳代の男性であれば3万円程度個人負担が増していることになります。
メタボリック症候群の人が減量して、その診断を翌年免れたとすると、この人は3万円得することになります。たった3万円と単純に思ってはいけません。ダイエットすることで、食べる量が減っているわけですから、当然ながら食費が節約できているはずです。年間の食費を計算してみてください。
今度は総務省の統計を使って算数をしましょう。
その統計によると、40~44歳の平均実収入(世帯収入)は547229円。食費の割合をあらわすエンゲル係数は23.5%。つまり毎月128599円が外食を含む食費にあたります。この世代の平均世帯人数は3.87人ですから、単純に一人平均を計算すると、33230円/月となります。
ここからは架空の計算になりますが、40代前半の男性がダイエットして毎日少しずつ飲食を減らしたとします。1割減らしただけでも毎月3323円、年間38676円です。上記の医療費の自己負担分の減少額をあわせると、なんと7万円近くになってしまうのです。健康状態が改善したうえに、お金も残るという嬉しい結果です。
もちろんジムに通ったりすることもあるので、それなりの出費はかかる場合もありますが、ダイエットすることに基本的には余計な出費は無用です。運動は毎日早歩きで30分。日常生活での運動に加えてこれだけできれば言うことなしです。
もうひとつ計算を…
こちらは仮定であり大雑把なものですが、今回の厚労省の調査対象になった269万人のうち、仮に2割(538000人)がメタボリック症候群としましょう。(男女を平均するとこのくらいになると思います) この人たちが改善できた場合の保険での負担減少を考えてみます。
メタボリック症候群とそうではない人の医療費の差が10万円とすると、このうち7割を負担してくれているわけですから、単純計算すると(538000×7万円)、年間で376億6千万円にもなります。日本全国健康志向が高まって、メタボリック症候群に限らず健康改善に取り組むことができれば、1兆円くらいの医療費削減は可能かと思います。
医療費の減少は医療機関の経営環境を圧迫することになります。現在のままの保険医療制度であれば、医療機関にとって国民の健康志向の高まりは、短中期的にみてもその経営を圧迫しますからこの制度の見直しが必要になります。個人的には、治療ではなく予防医学に対して手厚い制度へと転換するべきかと考えます。
仮定の話の上でのタラレバのお話しでは現実的ではありませんが、メタボリック症候群と言われた人が、ダイエットしてその改善を目指すことは、その本人にとって、あるいは疲弊している日本の保険医療制度にとって、確実にメリットがあることだけは100%確実なお話です。