鳥インフルエンザ続報2

中国で感染拡大を続けているH7N9型鳥インフルエンザは15日までにその感染者数が64人になり、そのうち14人が死亡している。感染の広がりを受けて、日本政府もすでに対策に乗り出しており、インフルエンザ特別措置法が13日に前倒しで施行された。すでに検査キットは開発ずみだ。またタミフルなど従来の抗インフルエンザ薬が効果的であることも確認されている。今後、ヒト-ヒト感染を起こして新型インフルエンザになる可能性も視野に入れながら急速に対策が進められている。

さて、今回の鳥インフルエンザは、前回世界的に流行した豚由来の新型インフルエンザとはまったく様子が異なっている。感染の拡大が極めて遅いのだ。中国政府がWHOに対してH7N9型インフルエンザウイルスの人への感染を報告したのは3月31日だった。実際にはそれよりも早い時期に感染が起きていたことは間違いないがそれから2週間以上もたつのに感染者数の報告は64人に留まっている。感染拡大が遅いということは、それだけ対策を勧めやすいという利点となる。

また今回の鳥インフルエンザウイルスの特徴は、鳥に対しての毒性が弱いということ。H5N1型ウイルスは鳥に対しても強毒性を持っていたので感染鳥の被害が大きく、ウイルスの拡散状態がわかりやすかった。しかしH7N9型では、感染しても鳥が死ぬことはほとんどなく、目に見えないところでウイルスが拡散していっている。この点は対策にとって厄介な問題となる。

香港在住日本人駐在員には、本社からの指示で対策を求められるようになってきており、まずは香港の状況や香港政府の対策などを報告するように求められ初めている。SARSや豚インフルエンザの時とは状況が異なることは確かであり冷静に対応しなければいけない。毎日感染者と死亡者が増えている数字を見せられれば、心情的に怖く感じてしまうことは仕方がないがあくまでも客観的な情報を元に対策計画を立てることが求められる。センセーショナルな報道が目立つ香港の地元紙などは見ない方が良いのかもしれない。対策に必要な情報は、できる限り公的なものにしたい。具体的にはWHOの情報であるが、香港であれば衛生署、日本なら厚労省や感染症研究所などにアクセスしたい。これまでのところ問題は少ないとは言うものの、中国内での情報は2次情報として得ておいた方が良いのかもしれない。

目下、最も注目しなければいけないことは、このウイルスがヒトからヒトに持続的に感染を続けることができるようになるかどうかだ。ヒト-ヒト感染が間違いなく起きているという事実が出てきた時が大きな節目になるだろう。いたずらに騒ぐ必要は現時点ではまったくない。タミフルなど抗インフルエンザ薬は各国が備蓄しており、十分量が確保されていることは大きな安心材料となる。

現時点での対策は、
1、鳥はもちろん、豚など動物には近づかないこと。
2、死んだ鳥には絶対に触れない。近づかないこと。
この2点だ。
鳥を飼っている人は、鳥かごを外には出さないこと。野鳥との接触を避けたいからだ。

人混みを避ける、手洗いの励行など通常のインフルエンザ対策は現在のH7N9型インフルエンザ対策にはならないが、通常の感染症対策としては十分機能するので、日常心がけておくことは得策だろう。