日本国内でデング熱感染

日本で約70年ぶりにデング熱の感染者が確認されました。これまで旅行者が旅行先で感染し、帰国後に発症する輸入例は毎年200件程度報告されていましたが、国内で感染したと思われる症例は長らくありませんでした。

患者は埼玉県さいたま市に在住する10代後半の女性。40度ほどの発熱で入院。専門機関で血液検査したところデング熱であることが確認されました。患者は今も入院中ではあるものの、容態は安定しているそうです。

デング熱は熱帯亜熱帯地方では日常的に流行しているウイルス性疾患で、ネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。世界で毎年1億人が感染していると推定されているものの治療薬はありません。ただその多くは自然治癒することから、熱帯地方では風邪程度にしか捉えられていません。ただし2回目以降に感染した時に、デング出血熱を発症することがあり、この場合は死亡率が高くなります。

媒介蚊のうちヒトスジシマカは日本など温帯地方にも生息しており、マラリアと並んで大昔から地域的な流行を繰り返していたようですが、衛生状態が良くなり、蚊が激減するとともに患者も減っていったことから近年の新規患者発生はなくなりました。最近の温暖化に加え住空間などにかつての冬の寒さがなくなりつつあることから、蚊が越冬することができるようになってきたようです。媒介蚊が周年棲息することができるようになり、熱帯病が温暖な気候の地域でも発生する危険性が高まっていることは最近指摘されてきたことです。そうは言うものの本当にデング熱患者が日本で認められたとは少々驚きです。

デング熱感染者が現れたということは、感染者が日本に入国し、その血液を吸った蚊が、次に感染者を増やしたと考えることができ、わからないだけで他にも感染者がいる可能性が大きと思われます。小規模な発生から大規模な流行につながるという可能性はゼロではありません。同じく蚊が媒介するマラリアに関しても、日本国内での感染者が現れてもおかしくはありません。昔は琵琶湖周辺などはマラリアの流行地でしたから、国際的な交通が盛んになった現代社会では、いつその発生があるのか予測がつきません。熱帯地方だけの風土病というような感覚は持たないほうがよいでしょう。

予防法は蚊に刺されないことです。虫除けのスプレーを使用し、肌の露出を極力少なくすることがその対策となります。