インフルエンザ大流行の気配

インフルエンザの流行の拡大が懸念されます。
今週は急激な気温低下が予想され、この急変をきっかけにインフルエンザの流行が急拡大する可能性が指摘されています。ちなみに月曜日の最高気温は昼間20度くらいに上昇しているものの、夜半近くには一桁まで低下します。北米の記録的な寒波と同じ北極からの寒気が今週はアジア方面に南下するためで、日本を含めて低温傾向は厳しいものになるようです。

 低温と乾燥はインフルエンザウイルスにとって実に好都合であり、この条件に合致する日本では毎年冬季に必ずインフルエンザが流行します。香港では例年、日本の流行におよそ1か月遅れて本格的な流行となるため、今の時期はまさにその時にあたり特段の注意が必要となります。クリスマスから新正月にかけて、多くの人が日本を訪れていますが、おそらくインフルエンザに感染する旅行者も少なくはなかったと思います。感染しても発症しない場合もあり、こういう人たちが香港に戻って来て感染を拡大させてしまうことも考えられます。これからの時期、冬休みが明けて子供たちの集団生活が始まる学校内での感染者数の急増にも十分注意する必要があります。

 気温が低下すると一般に免疫力が低下します。急な気温低下では特にその影響が大きいため、時期的な要件も重なる今週はとても注意しなければいけません。先週末の香港は天候が悪かったので湿度が高めでしたが、週明けは再び乾燥してきて低温と重なるためインフルエンザが感染拡大しやすい条件が整うからです。

 香港は春節頃から湿度が急上昇しますが、なぜかインフルエンザの流行は少なくとも3月いっぱいまでは持続します。乾燥には強いのがインフルエンザウイルスの特徴であり、反対に多湿には弱いはず。これはインフルエンザに関しては長年の常識であっただけに、香港では多湿になっても流行が持続されることは私にとってもこれまで大きな疑問でした。10年以上前になりますが日本の高名な感染症専門医、研究者に直接質問できる機会にその疑問をぶつけてみたことがありますが、明確な回答は得られませんでした。昨年、気温と湿度が高い真夏に香港でインフルエンザが大流行したことを覚えてますか。多くの方が亡くなってしまいました。なんとそのウイルスは冬に流行するものと同じタイプだったのです。実は、湿度が100%くらいの極端に高い条件はインフルエンザウイルスの活性が高まることが最近判明したそうです。

 粘膜が乾燥すると、粘膜でのバリア機能が低下します。マスクを感染予防として使用する人も少なくはないようですが、個人的には乾燥した空気を吸わないための道具と考えたほうが良いと思います。そのためには厚手のガーゼマスクの着用をお勧めしたいものです。また手洗いの励行は思っている以上に感染症予防に効果的です。特にモノに触れる機会が多い指先はしっかりと洗いたいもの。また、免疫力を下げないためにも適切な睡眠時間の確保や栄養摂取に心がけることは言うまでもないことです。既に流行している普通感冒(風邪)の予防にも直結します。

 これからの時季、急な発熱や関節の痛みなど全身症状が表れた場合はインフルエンザを疑い、すぐに近医を訪ねてください。抗インフルエンザ薬は効果的ですが決して無理をしないことです。体調が良くなっても2~3日はウイルスを排泄していることがあるので、感染の拡大を防ぐためにも出社や登校は慌てないで余裕を持った方が良いでしょう。