街市で買物した女性、食肉菌で重体に
香港の街市(市場)で魚介類を買った女性が食肉菌に感染して重体に陥っているというニュースが報道されている。ある新聞では一面に恐怖を煽るような記事が載せられており、かなりショッキングな報道となっている。香港の新聞(中国語紙)はほんの小さな事実を最大限に誇張した記事を載せることが多いので、そのままに受け取ることは避けたい。今回の記事のその意味ではやや煽りすぎという気もするが、事実関係だけは抑えておきたい。
この女性はKwung Tong の街市で魚介類を買って帰る途中、街市で魚?を入れてもらった袋が左足にあった傷に触れて、そこから原因菌(ビブリオ バルニフィカス菌)が感染したものと思われる。患者は現在集中治療室に入っているが、左足の切断の可能性もあるようだ。
ビブリオ バルニフィカス菌は食中毒菌である腸炎ビブリオ菌と同じ種類。塩水を好み暖かい海で魚介類やプランクトンなどに付着して増殖する。人には傷口などから感染して、蜂巣炎(蜂の巣のように炎症が広がり組織を壊死させる)を起こし、さらには全身症状を引き起こし敗血症で死に至る。感染から蜂巣炎を起こすまでに数時間しかかからず極めて短時間のうちに症状が悪化する。
日本では、傷口から原因菌が侵入して感染することより、刺身を食べて感染することが多いようだ。しかし誰もが感染に神経質になる必要はない。感染すると確かに怖い病気であるが、健康であれば感染リスクは極めて低いと思われる。一般に肝臓疾患の患者は注意が必要であるといわれており、肝硬変患者はもちろん、アルコール性肝炎患者も含めた肝炎患者は注意が必要だ。原因菌の活動が活発な夏場は特に注意したいものだ。リスクが高い人は、海水浴にも注意が必要。特に岩場で切り傷を作ってしまうことは絶対に避けたい。