新型コロナウイルス流行
新型コロナウイルス
昨年末から湖北省武漢市で患者が散発していた原因不明の呼吸器疾患は、
その後「新型コロナウイルス」であることが確認されました。
新しいウイルスが生まれたことがほぼ証明されたわけです。その感染力や
毒性などの性質については、今のところ現状を踏まえて予測されているだけで、
正確な情報を得るにはまだ時間を要するようです。
そのような中、日本でも感染者が現れたことで、これからの感染拡大を
不安に思う人も増えているようです。大切なポイントはヒトからヒトへの
感染力です。現在流行している季節性インフルエンザは極めて感染力が強い
ものですが、その毒性は決して侮ることはできないものの、スペイン風邪の
時のものに比べて軽いものになっているようです。ウイルスにとって自己
増殖に必要な宿主(ヒトを含める哺乳動物)を簡単に死なせてしまうことは
自分たちにとって都合が悪く、少し時間かけて程よい毒性に落ち着いたとも
いわれています。
さて、今回の新型コロナウイルスですが、患者数が徐々に増えてはいる
ものの、激増しているわけではありません。感染源だと考えられている
武漢市の海鮮市場に行ったことがない人からも患者が現れていますが、
このケースは感染者との濃厚な接触があったからだと考えられています。
現在のところ、ヒトからヒトへの感染は限られたものですが、その感染が
確認されたということで、今回の新型コロナウイルス流行が新しい段階に
入ったともいえます。今のところは慌てることはなく、正確な情報を収集
することが重要であることに変わりはありません。
情報は厚生労働省、国立感染症研究所など公的な機関からの一次情報を
得ることが大切です。テレビの情報であれば、コメンテーターではなく、
専門家の意見を聞いてください。駐在員の方であれば本社の健康管理室
からの情報も貴重です。Twitterなどに流されている個人的な見解は無視
したほうが良いと思います。不安を煽るようなものも少なくはありません。
確かな情報源から正確な情報を得て、その情報をもとに「正しく恐れる」
ことが大切です。
中国外で患者が認められていることから安心できる状態とは言いきれませんが、
かといってこのウイルスに対して過剰になることも適切ではありません。
もちろん今後の展開も簡単には予測できませんから、とにかく日々更新される
正確な情報に接することです。今のところ死亡者は1名。基礎疾患がある男性
でしたから、現段階では健康な人が怖がる必要はありません。
今回の新型コロナウイルスと同種のものとしてSARS(2002~2003年)が
あげられますが、これは毒性が強いものでした。ただ幸いにも感染力が
強くはなかったので、爆発的な流行には至りませんでした。
2012年以降散発的に流行が続く中東呼吸器症候群MERSも感染拡大は限局的です。
今の時季はインフルエンザの流行がピークに達しているうえに、普通感冒
(風邪)の感染者も非常に多くなっています。これらの疾患は今回の
新型コロナウイルスとの初期症状が似ているため鑑別が難しいので、ここに
新しい呼吸器系疾患が加わることは、そのタイミングとしては最悪といえます。
我々としては、警戒を怠ることなく、感染症一般への基本的感染予防を心掛ける
べきでしょう。
手洗いの励行、多くの人がいる室内に長く留まらないこと、適切な栄養摂取と
休養(睡眠)で免疫力維持を図ること、必要に応じてマスクを着用すること、
といったことが対策として考えられます。またインフルエンザなど、感染したと
思ったら無理をしないで休むことが大切です。本人のためにもなりますし、
周囲への配慮にもなります。