ノロウイルス感染 流行中
冬に流行する代表的な食中毒、「ノロウイルス中毒」が今季も流行している。日本では大きな集団中毒事例がいくつか起きている。香港でも日常的に起きていると思われるが大規模中毒でなければ報道されることはない。食中毒が最も発生している一般家庭内での事例が数字で公表されることがあれば、相当な患者数になるに違いない。香港衛生署では、11月から12月にかけて、ノロウイルス感染者数が増えているとして、感染注意の警告を出している。
ノロウイルスは1968年に米国のノーウォークという町で大規模な中毒事件が起きたことがきっかけとなって発見されたウイルスで、その後札幌ウイルスなど近縁のウイルスが多数見つかっている。
ノロウイルス感染は嘔吐や激しい下痢を特徴とする。下痢がひどくて一晩中トイレから離れることができなかったという患者もあるほどだ。急激な激しい症状を特徴とするものの予後は良く、通常は1週間もしないうちに(2~3日症状は治まる。)完治する。
感染経路として第一にあげられていたカキなどの二枚貝の生食による感染は、日本では激減している。これは冬に消費が増える生食用カキの無菌化処理が一般的となってきたことや養殖業者による自主的な検査が行われるようになってきたことが理由だろう。
その一方で患者からの排泄物(下痢便や嘔吐物)による感染が増えており、集団生活の場における大規模な感染事例や家族内での感染の主要な原因となっている。これは、患者排泄物に大量に含まれるノロウイルスが、嘔吐や激しい下痢に際してミストとなり乾燥して室内を漂うことからおきることであり、一時に多くの患者を出す主因となる。
患者家族などが嘔吐物などを処理する時は、感染の危険性が最も高い。必ず手袋やマスクを着用し、汚染されたものはビニル袋に密封して廃棄すること。手をよく洗うことが求められることは
言うまでもない。
患者発生に際しては、塩素系漂白剤で便座やドアノブなどを消毒することも有効だとも言われるが、一方でその効果に疑問もあるため、消毒の効果を過信することなく拭き取りや洗浄などこまめに行うことが大切だろう。
下痢がひどい時は水分の摂取を怠ってはいけない。スポーツドリンクでもなんでも良いが、食欲がなくてもとにかく水分の補給だけは怠れない。特に小さな子供の看病に際してはこの点が最も大切なポイントとなる。また嘔吐すると電解質も失われるので、その補給も必要となる。この場合もスポーツドリンクや塩分があるものを飲むように心がけたい。
年が明けてもノロウイルス感染がおきやすい季節が続く。生ものに注意することはもちろん、日頃の衛生管理に注意するとともに免疫力を落とさないようにすることが求められる。適切な栄養摂取、継続した運動、そして睡眠不足にならないなど身体を休めることも大切だ。これらに加えてストレスをうまくコントロールできれば言うことはない。ノロウイルス感染予防は、インフルエンザを含むすべての感染症の予防に共通する。