飲食店から有害菌
食物安全センターは、香港の複数の飲食店の寿司などから基準を超える有害菌が検出されたと発表した。15日には日式料理店4店舗が公表されたが、その後も17日には伝統的料理「盆菜」から黄色ブドウ球菌が検出された飲食店が公表されている。衛生管理の手落ちだと思われるが、指導を受けた飲食店は「衛生状態に問題はない」と反論するなど、その意識レベルにこそ問題がありそうだ。
寿司などの生ものは当然であるが、煮炊きした幾種類もの海鮮や肉類などを大きな器に盛り付ける盆菜も食中毒を起こしやすい料理といえる。
問題は食品を扱う人の衛生感覚。食中毒を起こす細菌類は当然のことながら目には見えないものであり、これを食品に付けないようにしなければいけない。いくらキッチンが見た目に綺麗であったとしても関係ない。見た目の綺麗さと清潔とはまったく別のことだ。衛生感覚は、当然のことながら正しい知識があって生まれてくるものでなければいけない。
寿司は日本の伝統的な食品。今のように冷蔵施設がなかった時代から食べられていたが、昔から経験的に衛生管理がかなり厳しく行なわれていたのではないかと想像する。
食中毒を起こさないための3原則は、食中毒菌を「付けない」「増やさない」「殺す」だ。今回公表された事例では、寿司から検出された食中毒原因菌が1グラム当たり160~200万個というから凄まじい。本当に正しい情報なのか疑わしいがその安全基準が「100万個を超えてはならない」とされているそうだ。100万個という基準にしても、食中毒菌がここまで増えてしまうことは、衛生管理に決定的な問題が潜んでいることを意味する。注意勧告を受けた飲食店はその「甘い基準」をもこえたわけだが、「食中毒を起こさない3原則」に関する「意識レベル」があまりにも低いと想像できる。
香港の人々は元々生ものは食べなかった。それがここ10年程の間に寿司ブームが起きるほどにまで、食に対する意識が激変している。見よう見まねで寿司など「いわゆる食中毒危険食品」を平気で出す飲食店が増えているので、いつ大規模な食中毒事件が起きてもおかしくはない状況にある。
寿司や刺身は単に食材が新鮮であるだけではダメ。客に生ものを提供するのであれば、厳格すぎるほどの衛生感覚を持ち合わさなければならないはずである。問題になった店はどの程度の認識を持っていたのだろう。そもそも食中毒に関する知識はあるのだろうか。
寿司や刺身が食べたければ、経験を積んだ日本人の調理人がいる店を選ぶのが原則となる。もちろん中国人だから悪いと言うわけではないが、食品衛生に関してある程度の判断材料を持ち合わせた上で飲食店を利用する必要もあるだろう。
最後に・・・
日本の場合であるが、食中毒が最もおきているのは一般家庭。食の安全が叫ばれているが、食品を賞味期限だけで判断してもまったく意味がないことに関して、いったいどれだけの人が理解できているのか。食品の安全、衛生管理に対して食品製造現場では極めて厳しい基準を設けている。問題はその食品が家庭へ持ち帰られてからの扱いでもある。