広東省と性感染症
タイトルを見てドキリとした人もいることだろう。「広東性学会」での報告によると、香港人男性のシンセン市での買春による性交渉で、コンドームを使わない男性が15%余りにも上るという。過去20年ほどの間に、HIV(エイズ)に対しての認識がかなり高まってきたことは間違いないが、まだまだ認識不足の男性が多いことを示す調査結果が得られたわけだ。専門家の間ではHIV感染をはじめ性感染症の蔓延を懸念する声が上がっている。
香港人男性のことだから・・・という声も聞こえてきそうだが、おそらく日本人男性に関して調査しても、それほど違った結果は得られないように思う。昔から風俗遊び(買春など)でコンドームを使わない男性が多いという話は日本でも聞いたことがある。憶測で話すのは良くないが、もし同じ調査を日本人にしたら香港人男性よりも悪い結果にならないとも限らない。
性感染症に関しては、感染者の低年齢化や女性患者の増加が著しい日本でも大きな問題となっている。ある調査によると渋谷の繁華街で無作為に調査協力してもらった女子高校生のおよそ3割から性感染症のひとつクラミジア感染が認められたそうだ。また別の女性に対する性感染症感染率調査では、大学生、主婦、そして風俗産業に従事する女性の3グループに分けた場合、なんと大学生の感染率が最も高かったという。かつては性感染症は中年以降の男の問題として扱われることが多かったが、今では年齢や性別に関係なく問題がとらえられている。もちろん女性に性感染症が増えていることは、それだけ事態が深刻であることを意味することは間違いない。
今回、広東省シンセン市での香港人男性に対する調査結果が公表されたわけであるが、中国が「恥部」ともいえる、できれば蓋をしておきたい内容に関してまでも公にするということはそれだけ事態が深刻であると認めているからではないだろうか。何年か前には広東省での公の機関によるHIV感染者数やその感染源についての調査結果が、新聞などで具体的に報道されたこともあった。
もちろん今回調査対象となったコンドームの使用の有無だけで性感染症が完全に防げるわけではない。正しい使用でHIV感染はほぼ確実に防ぐことができるが、他の多くの性感染症は残念ながら確実に感染予防が期待できるものではない。ともすれば自分が性感染症のスプレッダーになっているかもしれない。
「君子危うきに近寄らず」が一番だ。