ノロウイルス中毒の季節です

秋から冬にかけて患者数が急激に増加する食中毒の原因がノロウイルスだ。日本では食中毒患者の7割がノロウイルスによるものであると診断されており、これからの季節には十分な注意が必要になる。

冬に患者が増えるのはカキの摂取量と関係しているのではないかといわれてきたが、最近は生カキが原因ではない患者が増えているそうだ。これは日本のカキが養殖場で水揚げされてから無菌処理するようになってきたためで、それだけ安全性が高まっているためだ。もちろん現在でもカキは食中毒を起こしやすい食品であることに変わりはなく、体調がすぐれないときには生カキは避けたほうが良いだろう。

ノロウイルスは時として集団感染する。カキに限らず食品からの感染が多いのは確かであるが、学校などで集団発生的に患者が認められることが時々あり、このようなケースでは人から人への直接的な感染がおきていることが考えられる。

ノロウイルスは患者の便のみならず、小腸から胃へ逆流したウイルスが嘔吐物に混じることもある。そのため下痢や嘔吐によって排泄されたウイルスが乾燥して室内に浮遊し、これを吸い込んだ人が感染することで一気に患者数が増えることになる。ノロウイルスの感染力はきわめて強いので、患者がいる場合には十分な注意が必要になる。

ノロウイルス感染かどうかわからなくても、下痢や嘔吐の症状を訴える人が家族にいる場合は、トイレの衛生に十分気をつけるとともに、嘔吐物の処理に際しては、ゴム手袋とマスクの着用は怠ることはできない。小さな子供のオムツ換えには特に細心の注意を払うべきである。

感染力が極めて強いのでノロウイルスに感染しない確実な方法はない。もちろんウイルスは熱に弱いので、十分加熱した食品を摂取することで感染の確率を相当減らすことができるが、空気感染様の感染経路もあるわけで、食品に注意するだけでは十分な対策とはいえない。

ある意味、防ぎようがない感染症ともいえるわけだが、基本的な予防法を実行することで感染の危険性はかなり低くなることは間違いない。

1、手洗いの励行
2、下痢や嘔吐の患者は調理しないこと
3、生の特に貝類を食べない
4、生ものを提供する飲食店は衛生管理が行き
  届いている店を選ぶこと(ちょっと困難ですが・・・)
5、体調が悪いときの外食を避ける

ノロウイルスに効果的な治療薬はない。激しい下痢による脱水に加えて、嘔吐・下痢に伴う電解質異常を予防するため、十分な水分の摂取に加え、電解質も補給しておきたい。スポーツドリンクでなくても、水に少量の塩分を加えただけのものでも構わない。(塩は粗塩が良い)
また小さな子供の場合は、スポーツドリンクをそのまま飲ませるのではなく、倍量に薄めたものの方が良い。