サルモネラ中毒

香港の学校で行なわれたスクールパーティーで出されたパンケーキが原因となり、128人がサルモネラ菌に感染したことが5月8日に衛生署より公表された。

問題のスクールパーティーは4月26日に開催されたが、その後、幅広い年齢層の参加者(1歳から59歳)から食中毒症状の訴えが続発し、患者は男性56人女性72人にも及んだ。

衛生署で集団食中毒事例として患者サンプルを検査したところ、そのうち34検体からサルモネラ菌を検出したほか、ひとりからは血液検査でもサルモネラ感染が証明されたため、集団感染が確実となった。原因食品(パンケーキ)になぜサルモネラ菌が混入したのか不明であるが、卵を使っているのであれば、卵に由来するサルモネラ菌が原因である可能性も考えられる。

サルモネラ菌中毒で最も多いのが卵を原因とするものだ。卵かけご飯やすき焼きなどで生卵を食べる習慣がある日本では、すべての食中毒の2~3割がサルモネラ中毒だといわれる。ティラミスが流行した年には患者が激増している。

卵には5000個に1個くらいの割合で、その内部にサルモネラ菌が入り込んでいるといわれる。日本の卵の賞味期限が短いのは、そのサルモネラ菌(インエッグと呼ばれる)が食中毒を引き起こすレベルにまで増殖する日数に安全係数を掛け合わせたのだ。もちろん卵が原因となるサルモネラ中毒をゼロにすることは不可能であり、感染予防には消費者の注意も必要になる。

一般に日本の卵は外側を塩素消毒してあるので衛生的といえるが、それでも卵を触ったときはそのつど手洗いすることは常識だ。前述のように卵の中にサルモネラ菌が入り込んでいることがあるので、割った卵は迅速に使うことが大切で、いつまでも室温に置いておく事は避けたい。また卵を大量に使うレストランなどでは、多くの卵を一度に同じ器に割るようなことは避けたほうが無難だ。これはサルモネラ菌を含むたった1個の卵が、まとめ割りしたすべての卵を汚染させてしまうことを避けるためだ。

たとえサルモネラ菌が食中毒を起こす菌数に増殖していた場合でも、確実に加熱すれば中毒の心配はなくなる。その意味では半熟程度が美味しいといって加熱を抑える親子丼が意外なリスクになることも専門家が指摘している。

これから当分の間、食中毒が起きやすい気候が続く。冷蔵庫を過信することなく、食品の衛生管理に十分注意し食中毒を起こさないようにして欲しい。

食中毒患者が一番多く発生しているのは、実はレストランではなく一般家庭であることを覚えておきたい。