小学校など全面休校措置決定
香港政府(食物衛生局)の周一嶽局長は、昨晩10時15分に開いた臨時記者会見で、香港のすべての小学校、特殊学校、幼稚園といった教育機関を28日まで一斉に休校すると発表した。28日は金曜日にあたるため、実質的な学校等の再開は31日になる。直前までは学校個別の問題として現場での判断を優先するとしていたが、2月24日以降の児童の死亡が4名に達したことから、急遽方針を転換したものだ。このような措置は2003年のSARS以来のこと。
子供の死亡が相次いでいることが異常事態のように報道されているが、インフルエンザによる乳幼児・小児及び高齢者の死亡は決して珍しいことではなく、日本でも毎年数百人が亡くなっているはずで、世界的にも衛生状態が悪い途上国を中心にインフルエンザによる死亡者は相当な数にのぼるものと思われる。
インフルエンザを、風邪がちょっと酷くなっただけの病気と思っている人も少なくないが、風邪(普通感冒)とインフルエンザは全く異なる病気であるということを、一般の認識として浸透してほしいものだ。
ただし現在香港で起きている事態は決して異常なものではなく、日本でも冬場に学校閉鎖などが起きるのと同じものであると考えても間違いではない。
香港は今回の措置のように時としてドラスティックな措置をとることがあり、1997年の鳥インフルエンザ流行(18名感染6名死亡)の際にも、飼鳥を含めて全香港の鳥を殺処分して流行を押さえ込んだことは、その後世界的に高い評価を得ている。
今回のようなインフルエンザ流行に関してとられた措置は、集団生活における患者発生(いわゆるエピデミック)が容易に感染拡大して全地域的な流行(パンデミック)となることを抑制することに非常に効果的であり、政府の措置を大いに評価しても良いだろう。
ところで香港でも処方が多いタミフルであるが、日本の厚生労働省は子供の異常行動などの副作用に関して十分な注意をするよう指導している。香港ではタミフルの服用で高所からの飛び降りなどの異常行動は報告されていないが、インフルエンザと診断を受けてタミフルの処方を受けた場合は、十分監視するようにして欲しい。異常行動について、それが本当に副作用であるのか議論されているが、WHOや製薬会社では、副作用であることを否定できないことから、タミフルの処方に関しての注意事項としている。
何度も書いているがタミフルにはインフルエンザウイルスを殺す作用はまったくない。細胞内で増殖したウイルスが細胞外に出て行くことを阻止するもの。劇的に症状が改善するため、治癒したものと勘違いしてしまうが、その状態で通学や出社などすると確実に感染を広めてしまう。処方されたタミフルはすべて服用することで、服用期間は自宅で安静にして欲しい。最終的には患者自身の免疫力で体内のウイルスを排除して治癒するのであって、薬はその助けとなるものに過ぎない。
余談だが、タミフルの原料は中華料理に多用される「八角」だ。スイスのロッシュ製薬が製法の特許を持っており、八角から抽出されるシキミ酸から10回程度の化学反応工程を経て生産されるが、八角自体にはインフルエンザに対する効果はまったく期待できない。