中国製餃子による中毒事件
中国で製造された冷凍餃子を食べた10名が急性農薬中毒と思われる症状におちいり、中には重体になったケースも出ている。業界では当該製品を絶対食べないように呼びかけるとともに、多くの企業が自主回収に動いている。
また今回の問題とは直接関係がないと思われる中国食品にも使用中止を決めるレストランチェーンでてきている。
今回の事件を重大視した日本政府も中国政府に抗議するなど、早くも外交問題にまで発展している。
今回の事件で最も不可解なのはその毒性だ。
初めてこの事件を耳にしたときに私は、何故そんなことが起きるのか、その可能性の有無について漠然と考えてみたが、どうしても疑問が抜けなかった。第一に「加工された食品に、急性中毒で重体になるほどの残留農薬がはたして存在するのか?」
食品加工をする過程で、たとえ大量に残留した農薬が原材料の野菜に存在しても最終的な製品において、急性中毒を起こすほどの毒性を維持できるとはとても思えない。初期報道においてこのようなことには触れられてはいなかったと思うが、その後の専門家の意見としては述べられていた。
今回の事件は食品を輸入した企業の責任を追及するのではなく、事実関係を徹底的に調査することのほうが重要なことだ。
赤福などの問題でも感じることだが、最近は問題の背景を追求することなく企業をバッシングする傾向が強いように思うのは私だけではないはずだ。
やや飛躍するが今回の事件は「犯罪性」もないとは言えない。
再び中国野菜は危険だ、というイメージが支配的になってしまったのではないだろうか。
中国野菜は危険だとのイメージで購入を控える傾向が香港でも強まるのは必至だ。
農薬の管理などまだまだ甘い中国からの野菜を何の心配もなく食べることができる日が来るのは相当先だろうが、だからといって中国野菜がなければ香港市民の生活は成り立たない。中国野菜を常食している香港人の平均寿命が世界トップレベルであることも冷静に考える必要があるだろう。
野菜は浸け洗いをしっかりすれば、まず問題がないと考える。心配し始めたらきりがない。ポストハーベストを含む農薬の存在なしには現在の先進国の食生活はありえない。もちろんその使用を厳しく制限する必要はあるものの完全に無毒にすることなどできるはずはない。消費者にできることは、もちろん有機野菜を購入することもひとつの選択ではあるが、野菜などは良く洗うという基本動作さえしっかりしていればさして問題はないとも思う。