タミフルについて
日本ではインフルエンザの流行が例年になく早く始まった。現在新規患者が激増し、学級閉鎖といった措置がとられることも増えてきたが、今後どの程度にまで感染規模が膨れ上がるのか予想は難しい。あまり患者が増えて欲しくはないが、このままでは近年にない大流行になることも予想されるので、少なくとも万全の態勢をとっておきたい。
現在流行している流行タイプは今季のワクチンタイプと異なっており、せっかく予防接種を受けていても効果がない可能性がある。もちろん流行するウイルスタイプは通常一つとは限らないので、ワクチン接種が完全に無駄になることはないが少々気がかりだ。
ところで、インフルエンザに感染しても特効薬「タミフル」を服用すれば安心だと考えている人が少なくない。タミフルは確かに良く効く。感染後3日以内に飲めば病期を1~2日短縮できるというが、実際には劇的な解熱効果を経験することもあり、治療薬として絶対視している人もいる。インフルエンザに感染したと思ったらすぐに服用できるよう、何らかの手段で入手したタミフルを自宅に保管している人もいると聞く。
勘違いしてはいけない。タミフルにはインフルエンザウイルスを殺すような作用は全くなく、人間の細胞内で増殖したウイルスが外に出てこないようにするための薬で、体内からウイルスが消えるわけではない。体内からウイルスを排除する働きは、あくまでも患者の免疫作用だ。したがって、熱が下がったからというだけで出社や登校をしてしまうとウイルスを周囲にばら撒くことになる。インフルエンザの場合はそれ相応に休養期間を設けなければいけないし、たとえ熱が下がったといっても勝手にタミフルの服用を中止してはならない。抗生物質であるタミフルは最後まで完全に服用しなければ、耐性ウイルスを生み出す原因にもなる。
現在、タミフルの副作用として、高所からの飛び降り等の異常行動が問題になっている。専門家の間ではタミフルが原因なのか、あるいはインフルエンザウイルスの作用によるものか意見が分かれているが日本の厚生労働省では10歳代への投与を禁止、またそれより年齢の低い子供への投与に関しては、十分な監視を促すことを医師から保護者に説明することを求めている。
中途半端に飲んだタミフルを次回のためにとっておいて服用することはリスクが大きい。感染の拡大につながるうえに耐性ウイルスを生む危険性があること、あるいは副作用のことを考えると、素人判断で服用するような薬ではないからだ。
インフルエンザにかかった場合は、とにかく休むこと。また栄養をしっかりとることが大切。発熱に関しては解熱剤が第一ではなく、できる限り外から熱を奪って解熱させることを優先したい。なお発熱の際には十分水分を摂ることを忘れてはいけない。