H5N1ウイルス、人用ワクチンについて

現在、鳥インフルエンザに対して厳戒態勢にあるが、これは今後生まれてくるであろうと予想されている人の新型インフルエンザウイルスに対する対策でもある。新しいインフルエンザウイルスはいつ生まれてきても不思議ではなく、もし新型インフルエンザウイルスの感染者があらわれれば、何の免疫もない人類に対して、ごく短時間のうちに甚大な被害(感染死亡者)をもたらすのではないかとWHOはじめ各国専門機関は警戒しているが、一方でワクチンの開発も急速に進んでいる。

先月、グラクソ社が3.8μgの抗原量で有効なワクチンを開発し、医学誌「ランセット」 に発表して世界的反響を呼んだところであるが、昨日はサノフィ・パスツール社が1.9μgで有効なワクチンの臨床試験に成功したことを発表している。

現在のインフルエンザワクチンは3種類の抗原がそれぞれ15μg使われている。ちなみにこの冬に向けて使われるワクチンであれば
A型ソロモン諸島(H1N1)
A型ウィスコンシン(H3N2)
B型マレーシア
これらが各15μg(合計45μg/0.5ml)含まれている。
(接種量は0.5ml)

新しく開発されたH5N1人用ワクチンは、現在使われているインフルエンザワクチンに比べて、極少量で効果が期待できるものであり、それだけ大量のワクチンを短期間に製造できることを意味する。
また現在のインフルエンザワクチンは鶏の有精卵を使用しなければ製造できないが今回開発されたH5N1用ワクチンは、まったく別の方法で製造されることから大量製造が可能となり、世界人口をもカバーできるようになるという。

新型インフルエンザに関しては、世界的に抗ウイルス薬タミフルの備蓄が進んでいるが、今後はワクチンの備蓄や接種が大流行対策として世界的主流になる可能性が期待できる。

新型インフルエンザの元となるであろう鳥インフルエンザウイルスは、その性質を少しずつ変化させているので、最終的に人ー人感染を起こす危険なウイルスがどのような形になるのか、確実なところは今も不明のままだ。ただしある程度汎用的なワクチンが開発されているものと思われる。今後さらに臨床試験を継続し安全性と大量供給の方法について詰めて欲しいものだ。