肥満と家計
はじめに日本人の平均身長と体重は
男性 167.1cm、 65.6kg (BMI23.5)
女性 153.7cm、 52.9kg (BMI22.4)
BMIは体格指数、つまり世界的に広く採用されている肥満度で、統計上22がもっとも病気になり難いといわれている。日本肥満学会ではBMIが25を超える場合に「肥満」と判定している。
「肥満と家計」について京都大学経済研究所の古川雅一研究員が調査した結果が発表された。
日本人の平均的BMIが23だとすると、この場合の一人当たりの医療費は糖尿病9万1000円、高血圧性疾患5万円であると試算。ところがBMI30、つまり体重が約20kg増えた場合で試算したところ、それぞれ22万7000円、6万5000円となり、肥満度の上昇が医療費の増加につながることがわかったという。
肥満が進むほど循環器系疾患に罹患しやすいことは常識であるが、この調査は医療費に結びつけて試算したところが面白いところだ。
海外に駐在する日本人の多くは海外傷害保険に加入していることが多いが、この保険は一般的に180日のルールが提要されており、慢性疾患では、発症(診断)から180日までの医療費しか支払われない。それを超えた場合は個人あるいは会社等雇用主、あるいは健康保険組合等が医療費の支払いを行なっているのが現状だ。今回の調査結果は、肥満が進むに従ってその負担が増すことを意味しているわけであり、個人はもとより企業(雇用主)等にとっても、ダイエットは経済的なメリットがあることを示唆するものだ。
もちろんBMIはあくまでも目安であって、肥満の中身は個人によって大きな違いがあることも確かなので、一律にBMIに照らし合わせて肥満を判定することは少々乱暴かもしれない。特に女性では、数字上の肥満が循環器系疾患のリスクにつながっていないケースも少なくはない。これは男性の場合は内臓脂肪型肥満が多いのに対して、女性は皮下脂肪型肥満が多いことである程度説明がつく。
もちろん運動量などによっても大きく左右されるので、一概に肥満が良くないとしてしまうことはない。
しかし、血液検査でたとえば中性脂肪や血糖値が毎年上昇傾向にある場合や善玉コレステロール(HDLコレステロール)が低くなってくるなどの変化が体重増加に伴ってあらわれてきていたら要注意だ。
この場合、基準値(正常値)に入っているかどうかで判断してもあまり意味はない。3~5年先までの変化を見据えた上で判断することが大切だ。良くわからない時は、ここ2~3年の健康診断データ(BMI、中性脂肪、HDLコレステロール、血糖、できれば肝機能)を準備した上で私に相談して欲しい。(連絡先は下記)また前の検査から1年以上たっている場合なども、ぜひ新しいデータを得たうえで客観的な判断を受けておきたい。