中国HIV感染者統計

このほど中国衛生部は、今年10月末までに中国本土でのHIV感染者数の累計を18万3000人、またエイズを発症した患者数を4万667人、このうち死者は1万2464人であることを、最新の統計で公表した。ちなみに今年感染が確認された患者数を3万9600人としている。感染者数は昨年同期に比べ27.5%の増加となり、中国でHIV感染者数が急増しているは間違いなさそうだ。

中国衛生部は感染原因として麻薬中毒者の注射器の共用と性行為(売春)をあげているが、性交時にコンドームを使用するのは39%にしか過ぎないとしている。

これらの数字は中国政府が公表したもので、事実を過小評価している可能性が考えられ、実際にはもっと患者数が多くいてもおかしくはない。特に統計上の母数に含められない人数も少なくないはずで、中国政府が故意に隠すのではなく、統計上はじめからカウントが不可能な部分もあるのではないかと思われる。

いずれにしても中国のHIV事情は深刻だ。以前、シンセン市政府が患者数の増加に危機感をあらわにし、感染者数とともに域内の理髪店が重要な感染源であるとして指摘した経緯があるが、中国の政府機関がマイナスイメージとなるHIV患者の急増に関してその数字や感染経路を公表したことに、当時大変驚いたものだ。 HIV感染者の増加に関して余程の危機感を持ったものと思われる。

日本人駐在員はそのリスクに敏感になるべきだ。プライベートな事なのであまり強く忠告はしないが、無防備な人が非常に多いと聞く。せめて最低限の防御はするべきであり、いくら一人あたりの感染率は低いといっても、無防備な性交渉は自殺行為であると心得てほしい。もちろん他の性感染症のリスクもHIV感染に対して比べものにならないくらい大きい。中国に駐在員を置く企業としては、そのあたりをもう少し真剣に考えておくことも、重要な危機管理のひとつといえるだろう。

マイナスイメージにつながる情報は出来る限り公表したくない中国政府がHIVの感染者増について公にしたという意味を今一度考えてみるべきだ。