蜂蜜から抗生物質

香港で広く販売されている輸入蜂蜜から複数の抗生物質が認められ、健康被害が心配される一部商品は強制的に回収命令が出されている。

この報道を見て、やっぱり何でも日本製に限ると思ったら大違いだ。実は日本でも蜂蜜製造業者は抗生物質を使用することが多く今回日本製の蜂蜜からたまたま検出されなかった(検査されていなかった可能性もある)だけで、日本製だからといって安心はできないのだ。

とんでもない話もある。
日本では、輸入蜂蜜からは抗生物質は認められてはならないとされている。国内のある蜂蜜生産業者は、多量に使用している抗生物質が基準値を超えないように中国産の蜂蜜で希釈していたという。日本に輸入されている蜂蜜には抗生物質が含まれていないということを悪用したものだ。

そもそもなぜ養蜂に抗生物質が必要なのか。大昔から続く養蜂に抗生物質など無用であると考えてもおかしくはない。

ミツバチには腐蛆(ふそ)という病気があり、これを防ぐために抗生物質が使われるのだそうだ。たしかに密集して生活するミツバチに一度病気が発生しようものなら瞬く間に感染が拡大し、短時間のうちに全滅する危険性がある。養蜂家にとっては死活問題だ。小規模であれば問題は少ないのかもしれないが、大量に供給しなければいけない大規模養蜂業者にとっては必要悪なのかもしれない。

このあたりは養殖魚への抗生物質使用、野菜への農薬使用、食品の保存性を高めるための合成保存料の使用など、我々の食生活を支えるべくその生産性を高めるために行われていることとある意味共通項もあるといえよう。

食の安全は他人任せでは絶対に守ることはできない。しかし、もちろんすべての有害物質を避けることも不可能だ。我々が生活するうえで、何が本当に危険で、何が必要悪であるかあるいは生活の質を落とすなど自己犠牲を伴ってでも避ける必要があるものは何か、といったことを常に考えておかなくてはならないと思う。

余談であるが、1歳未満の乳幼児には蜂蜜を与えてはいけない。これは蜂蜜に含まれることがあるボツリヌス菌に対する影響を避けるためだ。日本産であろうと中国産であろうと危険であることに違いはない。