メタボリック症候群

「心筋梗塞(こうそく)や脳卒中など生活習慣病の引き金となる「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」の疑いが強いか、その予備群とみられる人が40歳を過ぎると急増し、40~74歳の男性の約半数に上ることが8日、厚生労働省の初めての全国調査で分かった。女性も同じ年代で5人に1人が当てはまり、該当者は全国で約1960万人と推計されている。同省は深刻な事態と受け止めている。」  5月8日 朝日新聞報道より抜粋

肥満、高血糖、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症、高血圧。このうち3つが重なればメタボリック症候群と呼ばれ、相乗的に動脈硬化を進行させ、循環器系疾患のリスクを顕著に高めることが判っている。今回の厚生労働省の全国調査を見なくても、深刻な状況は以前から専門家の間では常識とされていた。今一度、自分の健康診断の結果を再確認してください。

弊社で実施させていただいている健康診断の結果を見ていても、メタボリック症候群に該当する人が非常に多いことは日常的に感じている。しかし当人はその危険性についてまったく自覚がないことがあまりにも多い。

同じ受診者の結果を毎年追っていくと、特に血糖値や中性脂肪値は肥満度との相関性が大きく、これら検査の数値変化は必ずといっていいほど体重の増減と連動している。早い話、太れば必ず悪化するし、減量ができれば確実に改善するわけだ。日常の健康管理は体重のコントロールにあると言っても過言ではなく、さらに適度な運動が加わることで、健康状態が劇的に改善したり、あるいは増進したりすることが明らかだ。
太らないことがもっとも大切。すでに太っている場合は、1kgでも2kgでも減量することを勧めたい。

接待や出張が多く、食事のコントロールが難しいと訴える人が多いことも確かであるが、油が多いものは避けることや自宅では飲酒しないことなど、自分にできることから今すぐはじめることが肝心だ。理由を並べていても改善は期待できないわけで、現状より「まし」な状態をくつくる努力が大切なのだ。運動といってもジムに通う必要もなければジョギングする必要もない。そんなことをしても多くの人は挫折する。
歩くだけで良い。とにかく歩く時間を確保することだ。忙しくてそんな時間はないとも聞く。通勤にタクシーを使ってないだろうか。会社の車を通勤に使っていないだろうか。タクシーや社用車の通勤利用を止めることからはじめたい。
通勤時間を利用して歩くのが一番効率的だからだ。これからの季節、暑くてそんなことできないという人も多いだろう。汗をかいても影響が少ない帰宅時に歩くことを勧めたい。日中、外回りで歩く時間が多い人は、すでに十分な運動量が確保できている可能性もある。そんな人でもさらにプラスアルファの運動をしたい。毎日1万歩が良くて2万歩だと身体に良くないという理由はない。

メタボリックシンドロームの危険性をさらに大きく増幅するのが喫煙だ。ある喫煙者は、「長生きする必要はない、太く短く生きればいいんだ」という。つまり大好きなタバコくらい吸いたいだけ吸っていたいというわけだ。この人が望むように、ある日ぽっくり死ぬことができれば本望なのかもしれないが、脳梗塞で半身麻痺、トイレにも自分で行けないベッドの上だけの生活。しかし意識だけははっきりしている・・・。悲惨なこのような状態で、細く長く生きることになるリスクも大きいことを理解しておきたい。喫煙者は禁煙することを、とりあえず最大の目標としても良いだろう。