サルモネラ菌を原因とする集団食中毒
集団食中毒の原因となった食事は、1月21日。
ある会合の打ち上げとして約30名がセントラルのレストランにて食事したところ、食事後6~64時間後に、計14名に顕著な食中毒症状が現れた。うち1名が入院。この患者の便から、1月26日にサルモネラ菌が検出された。さらにその後の検査で、他の7名からもサルモネラ菌が検出されたという。
はじめは急性ウイルス性胃腸炎と診断されたそうだ。
腹痛や下痢、嘔吐といった症状を訴えて医師の診察を受けた時、その症状などから診断されることが多い疾患名であるが、ウイルスを同定したわけでもないので、確定診断ではない。実際、急性ウイルス性胃腸炎は冬に多いので、医師がそれを疑うこと自体ごく自然である。ただしウイルス性胃腸炎と診断された人の多くが食中毒である可能性もある。原因菌を特定しない限り食中毒とは診断されないので統計上の数字にはならないが、かなりの人が知らないうちに食中毒を経験しているはずだ。
サルモネラ菌による食中毒は卵が原因食品の筆頭にあげられ、罹患リスクは非常に多い。卵の表面はもちろんインエッグと呼ばれる卵の中にサルモネラ菌が入り込んでいるものが数千~1万個に一個紛れており、これが大規模食中毒の原因となる。
レストランなどで多くの卵を調理する場合、大きなボウルで大量の卵をまとめ割りすることがある。万一まとめて割った卵の中に1個でもサルモネラ菌に汚染されたものがあったら、そのボウル内の卵をすべて汚染してしまう。レストランの客としては、食中毒を予防する術はなく、レストラン側の責任が非常に大きい。卵のまとめ割りに関しては、なるべく小分けするように日本の保健所では指導しているところもある。
今回の集団食中毒で疑われる原因食品はティラミスだ。ティラミスは生卵を使うデザートなので、日本で一時期流行した頃、やはりサルモネラ食中毒が激増している。
生卵は基本的には食べてはいけない食品だと思ったほうが良い。日本では卵かけご飯やすき焼きなどで生卵をそのまま食べるが、世界的には生卵を食べる民族は非常に限られる。ただし加熱するのであれば、生卵の可食期間は非常に長く、ある専門家によると室温で2~3ヶ月は大丈夫とのことだ。現在、卵は冷蔵で販売されており、その分鮮度が保持されると思われるが、一度でも外気にあたって卵の周囲に水分がついてしまうと、卵表面から細菌類が内部に侵入するため鮮度が落ちるのが早いといわれる。
卵を扱っても手洗いしない人が多いようだ。卵自体が食中毒の原因食品の筆頭に上げられるくらいなので、とにかく卵に触れた場合は手を洗うことが肝心だ。また体調が悪いときには生卵は食べないほうが良い。これはノロウイルス食中毒に関して、生牡蠣にも言えることでもある。
意外であるが親子丼も危険だといわれる。完全に火を通さないで、半熟くらいにしておくほうが美味しいが、これが食中毒の原因となる。神経質になることはないが、日ごろから最低限の衛生管理(手洗いなど)と健康管理は必要だ。
食中毒は一般家庭でもっとも多く起きている。レストランなどが発生場所としては目立つが、これは一度に罹患する患者が多く、営業停止を受けることなど社会的な影響が大きいために目立つだけだ。家庭内での食品管理には十分注意したい。(臭いをかいだり、味を見たりしても、危険な食品はまったくわかりません!)