ホリデーシーズンを前にして
香港から出かけることが多い海外リゾートといえば、タイなどの東南アジアリゾートだ。いずれの国も熱帯圏に位置する国々で、熱帯病のリスクが非常に大きい地域でもある。これらの国から香港に持ち込まれる熱帯病の輸入例も少なくはない。
旅行者が特に気をつけなければいけないのは、食中毒。多くの食中毒は完全に加熱された食品からは例外を除き感染することはない。生ものを食べないということは常識ではあるが、意外に落とし穴になるのが氷。ジュースや水割りのアルコール類などに使われる氷は、どのような水を凍らせているのかまったく不明だ。水道水は絶対飲まないと思うが、氷も水道水を凍らせただけというものも少なくないことを頭においておきたい。
生もので安全性が高いのは、自分で剥いて食べる果物くらいか。ココナッツも飲み物としては安全度が高い。
せっかくの休みだからといって無理なスケジュールでの行動は避けたい。疲れが溜まることで体力を落とし、感染症に対しての免疫力が低下する。飲みすぎや睡眠不足にも注意したい。免疫力さえ保っておけば、たとえ感染しても発症しないですむ可能性が高くなるからだ。
夜間の外出に関しては、蚊に刺されないよう注意して欲しい。マラリアの危険性があるほか、その何倍ものリスクとしてデング熱感染も心配だ。リゾート内に滞在するだけなら蚊は駆除されているのでほとんど心配ないが、そこから一歩外に出ると環境はまったく変わる。夜間の外出には長袖シャツを着るなどできる限り皮膚を露出しないような格好をしたい。
淡水の川や湖では泳がないこと。たとえ地元の人が泳いでいても、住血吸虫などが直接皮膚から侵入する寄生虫感染の危険性がある。泳がなくても裸足で水につかるだけでも危険だと思っていたほうが良いだろう。
旅行を終えて帰ってからでも1~2週間は体調の変化に注意が必要だ。旅行後に体調を壊した場合は、どこに、どのくらい滞在して、何をしていたといった旅行情報も詳しく医師に報告したほうが良い。いくら医療レベルが高い国の医師でも、熱帯病の診断には一般に慣れてはいない。マラリアの診断が遅れて死亡する例が日本でも毎年何件かおきている。医師にできる限りの情報を伝えることは、自分の身を守ることであると覚えておきたい。