世界エイズデー

 今日、12月1日は「世界エイズデー」だ。
 今年のテーマは、『 エイズ…あなたは「関係ない」と思っていませんか?』となっている。確かに身近な問題として捉えにくく、普段特に問題として捉えることはないとしても仕方がないだろう。

 11月21日、国連エイズ合同計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)は、世界のHIV(エイズウイルス)感染者が4000万人を突破して、今年中には4030万人に達する見込みであることを発表している。今年の新規感染者は490万人、死者は310万人。これらの数字は昨年と変わらないものの、東アジア、中央アジア、さらに東欧では、患者が増え続けている。

 東アジアでの感染者数は87万人。理由は不明であるが中国が数字を下方修正したために昨年発表(110万人)に比べると大幅に減少しているものの、2003年よりも25%も感染者が増えており、依然増加傾向に歯止めはかかっていないものと思われる。

 ところでシンセンでは、昨年HIV感染者の急増を当局が公表している。都合が悪いことを隠蔽しようとする傾向が強い中国で、HIV患者数の急増を公表したということは、余程危機感が強かったと思われる。香港からは、日本人も含めて多くの男性がシンセンに「遊び」に行くようであるが、HIVに感染するリスクが高いことを自覚するべきだろう。

 タイでは、売春婦のコンドーム使用率が一時100%近くあったのが、現在では半分程度まで低下しており、HIV感染のリスクが急激に高くなっているものと懸念されているという。コンドームをつければ確実にHIV感染を防ぐことが保障されるわけではないが、最低限の防備であることは確かだ。

 エイズによる死者は特にサハラ砂漠以南のアフリカ各国に集中している。無知による感染拡大と貧困で治療できずに放置される患者が多いのがその理由だ。中にはエイズで国が滅びてしまうのではないかと懸念されるような国もあるという。世界各国のHIV感染率上位20カ国のうち19カ国がアフリカ諸国で、最も感染率が高いボツワナの感染率は38%を超えていると推計されている。エイズ問題は南北格差の問題でもある。

 現在、新型インフルエンザが心配されているが、これまでも年間50万人もの命がインフルエンザによって失われている。この数字は驚きをもって語られるが、エイズ患者の死亡はその6倍にもなる。近い将来、身近なところでHIV感染者が現われることにもなるだろう。職場などでの差別は許されない。会社の同僚が、あるいは友人が、そして家族が感染してしまうということは、決して非現実的な空想ではないと考えるべきだろう。身近で感染者が現れたときに慌てないためにもエイズに関して正しい知識と対応をいつも考えておく必要がある。