インフルエンザ ワクチンー極端な品薄状態
インフルエンザワクチンがない。今週に入って予防接種を希望する問い合わせが急増している。中には100人単位で接種を希望している事業所もあるが、肝心のワクチンが底を突いている。在庫のあるクリニックから融通してもらい、目先の希望者に接種する努力はしているものの、とても追いつかないのが現状だ。
先週あたりから急に鳥インフルエンザの報道が目立ってきた。毎日のように新聞の1面を飾っている報道で、市民の間には次第に不安感が募っていることは確かだろう。現在の鳥インフルエンザが、まもなく人のインフルエンザ(新型インフルエンザ)に変化することはまず間違いのない事実だが、その次期を予想することは難しい。近い将来としかいえない。明日かもしれないし、1年先かもしれない。いずれにしても十分に警戒しなければいけない段階で、WHOをはじめ各国の保健行政機関は神経を尖らせて、その推移を見守っている。
インフルエンザ対策として、先進国ではタミフル、途上国では安価なアマンタジンといった抗ウイルス剤の備蓄を進めているが、生産に限界があり思うように在庫が増えないという。もちろんワクチンの開発も進んでおり、すでにアメリカでは実用化の目処が立ったとの報道もある。しかし、十分なワクチンを供給するにはまだまだ時間がかかりそうだ。インフルエンザワクチンは世界規模で同時に使用しなければ、総合的な対策にはならない。
新型インフルエンザに対するワクチンは、まだ市場には出ていない。近いうちに一般に供給されるということもないだろう。まだまだ実用化にはいくつものステップを踏まなくてはいけないようだ。つまり、現在のインフルエンザワクチンは鳥インフルエンザ(新型インフルエンザ)には、まったく効果はないのだ。おそらく多くの市民が、現在のインフルエンザワクチンが鳥インフルエンザからの感染も予防できるものと勘違いしてワクチン接種を急いでいると思われ、結果としてワクチン不足がおきていると考えられる。製薬会社からの供給不足が原因ではないそうだ。
インフルエンザワクチンの接種を希望する場合は、最寄の医療機関に直接問い合わせて在庫を確認して欲しい。現在のインフルエンザワクチンは、昨年流行したタイプと毎年のように流行を繰り返すことがわかっているタイプに対する感染予防効果が期待できるのであって、新型(鳥)インフルエンザ対策にはならないことを理解したうえでその接種の有効性を十分に検討してから接種希望して欲しい。パニック的に接種を希望しても、優先的に接種をしなければいけない老人など免疫力が十分ではない人に行き渡らなくなってしまっては困る。
ワクチンがない現在、来たるべく新型インフルエンザに個人で、あるいは会社でどのように対応して少しでも被害を少なくするかを、今から十分に考えておきたい。
1、 十分な栄養。(カロリー摂取ではない!)
2、 十分な休養。睡眠。
3、 適度な運動。
4、 手洗い
これら4点はインフルエンザ感染予防として基本となる。特に2番については、感染後の対策としても事業所単位で十分対策を考慮しなければいけない。つまり、患者を無理に出社させないこと。十分な休養を補償することだ。無理を押して出社したところで、感染を広めて社内の業務効率を落とすだけだ。ただし休むということは関して、現状では非常に困難を伴うことはよく聞くことで、社員側としても多少の無理をしても目の前の仕事を片付けておきたい気持ちはよくわかる。それだけに難しい問題だ。
新型インフルエンザ流行は非常事態だ。その点をよく理解したうえで、各事業所はその対策を考える必要がある。感染者を休ませる場合に、その業務をどのように他に割り振るかといったことを平時である今からシミュレーションしておきたい。
SARSの際の混乱は二度と御免だ。