高血圧の患者は糖尿病になりやすい

 中文大学医学院が2002年から2003年にかけて、プリンスオブウェールズ病院の55歳以上の高血圧患者230名を調べたところ、実にその40%の患者は糖尿病またはその予備軍だったという。医学院では減量して血圧を下げることを勧めている。

 統計学的には元になる母集団(サンプル数)が少ないので、これだけで医学的に結論することはできないと思われるが、高血圧も糖尿病も肥満が大きな原因になっていることは間違いないので、今回の調査結果は当然のものともいえるだろう。

 私も長年多くの日本人の健康診断結果を見てきたが、生活習慣病という大きなくくりで見ても、その発症リスクに肥満がかかわっていることは間違いないことだ。肥満度が進むにつれて、高脂血症(高中性脂肪、高コレステロール)、高血糖、高血圧、高尿酸、そして肝機能障害まで見られる率が高くなるように感じている。これは医学的にもメタボリック症候群と称されており、最近盛んに研究されるようになってきた。今回の研究調査も、発表された高血圧と糖尿病の関係という切り口ではなく、肥満と生活習慣病の関連について調べて欲しいところだ。

 健康診断結果を見ていると、少しでも減量できれば健康状態を改善できる可能性が高い受診者が多いことに気がつく。体重管理がそのまま健康管理に直結すると考えて間違いない。もちろん生活習慣病ばかりが問題になるわけではないが、個人の努力で、近い将来の死亡リスクを直接的に下げることができる訳であり減量努力をする意味はたいへん大きい。メタボリック症候群は高血圧など単独に問題がある場合に比べると、そのリスクは相乗的に大きくなる。

 食欲の秋ともいうが、秋になると食欲が増して盛んに食べるのは、食べ物が不足する冬に備える動物的な本能ともいえるもので、人間には当てはまらない。確かに夏場の食欲不振がなくなり、さらにはおいしいものがたくさん出てくるので食欲が増すのは自然だ。しかし人間の場合は、むしろ気候が良くなる秋を運動して減量する季節と捉えたほうが良いだろう。