豚の感染症、人に感染して死亡例相次ぐ
四川省と中国衛生部の合同調査により、8月2日までに豚の感染症に感染したと思われる患者が205名発生し、そのうち37名の死亡を確認されている。これに先立ち、中国衛生部は7月22日、原因不明の疾患で20名の患者と9名の死亡者がでていることを、WHO(世界保健機関)に報告している。
中国動物保健局の調査により、同じ地域の豚の死亡原因を豚連鎖球菌(Streptococcus suis)と断定。さらに感染が疑われた患者から同じ菌が検出されたことから、当局では豚連鎖球菌が人に感染したことは間違いないとしている。
人の豚連鎖球菌感染は、散発的に世界中に発生が認められており、特に珍しくはない感染症だ。しかしこれほどの集団発生をみることは非常に珍しい。豚から人への感染は職業的に豚との接触が濃厚な場合におこりえるが、その多くは軽い症状に終わる。しかし一部で髄膜炎や毒素ショック症候群などで症状が悪化して死亡することもあるという。
ウイルスと違って細菌類はその性質を簡単に変えることができず、あるとき急に強毒性の細菌に生まれ変わることがないので、現地での原因菌特定に問題がなければ、この感染症が人間に急速に拡大することは考えにくいだろう。(私見です)
現在、四川省からの豚の移動が厳しく規制されており、一般消費者が感染を心配する必要はない。それでも不安な向きもあると思われるので、食品としての肉を扱うときの基本的なことにふれておきたい。
調理に際しては、肉に触れたらその度に手を洗うこと。手に付着した病原菌が他の食品を汚染したり、調理者に感染したりする危険性があるからだ。もちろんまな板などの調理器具を丁寧に洗うことも基本だ。また調理は確実に火を通すことが大切。特に夜のバーベキューは焼け具合が良くわからないので、食中毒などの危険性が高い。
四川省の豚連鎖球菌感染症を、一般消費者レベルで心配する必要はないと思う。もちろんその事態の推移を知っておくことは無駄にはならないだろうが、現時点でいたずらに不安を膨らませたところで意味はない。