WHOが警告-新型インフルエンザ流行の恐れ

 記事によると、尾身氏は新型インフルエンザの世界的な流行は確実であり、流行が始まれば数週間のうちに1億人が死亡するかも知れないと警告している。

 死亡者については、控えめに推測しても700万~1000万人、最大で5000万人、そして最悪のシナリオだと1億人に達するとしている。

 流行の時期について予測はできないが、昔大流行した新型インフルエンザの場合は1年以上もかかっていたものが、グローバル化が進んだ現代では世界中に流行が拡大するのに数週間しか要しないという。

この点については、ある専門家の興味ある比較がある。

年           1918年          2004年
世界人口        20億            63億
輸送手段        蒸気船鉄道          ジェット機自動車
世界伝播        7から11ヶ月        4から7日
流行形態        群              同時多発
感染者数        5から8億人         16億から30億人
患者          2から5億人         5億から16億人
死亡          4から5千万人        2千万から5億人?

 1918年はスペイン風邪が流行した年だ。当時は船など輸送手段が限られており人間の世界的な移動はきわめて限られていたが、現代は飛行機で「瞬時」の移動が可能だ。都市人口も増えており、いったん流行が始まると、爆発的(瞬間的といった表現が的を得ているかもしれないが)凄まじい勢いで世界中にウイルスが拡散するに違いないだろう。

 ワクチン開発はアメリカでもっとも早くて来年3月になるという。アメリカはワクチン の備蓄を宣言しているので、開発されたばかりのワクチンが世界に向けて供給されるのは、それよりもずっと遅れるはずだ。この冬には何とか流行を免れて、ワクチンの供給体制が整った段階まで流行しないで欲しいものだ。   

 今年はベトナムやタイで32人が死亡しているが、今のところ鶏の糞との接触で感染しているものと思われる。しかし豚や猫がキャリアー化することが確認されていることなどから、大流行にいたる基礎は出来上がっているという。

 WHOによると、鳥インフルエンザウイルスの媒介にはアヒルが重要な役割を果たしているという。鶏はインフルエンザに感染すると死ぬことが多いがアヒルは症状が出ないでキャリアーとなる。アヒルが多い地域では、鶏の感染が更に多くなるという。H5N1はアヒルと鶏が離れている地域ではそれほど発生していない事実も確認している。香港では、異なる家禽を分離飼育するよう法で定めているため、鳥インフルエンザの発生が抑えられているそうだ。

 WHOの専門家の警告は行政やマスコミ、そして流行が始まってパニックを起こす一般市民対してなされたものだ。現状では各自が気をつけたところで感染を防ぐ手立てはない。もちろん感染しない、あるいは感染しても発病しない人もいるわけで、やはり免疫力が大切なのだろう。

 十分な栄養摂取(ただ食べるだけではなく栄養を考えて)、十分な睡眠、適度な運動などは免疫力強化には最低限必要だ。喫煙は気道の繊毛の働きを極端に悪くするために上気道感染症(風邪やインフルエンザなど)にかかりやすくなる。今からぜひ禁煙したいものだ。