サルモネラ菌食中毒で小学生死亡
報道によると大阪府東大阪市の小学4年生(9歳)がサルモネラ菌による食中毒で死亡したという。管轄の保健所が今月10日に発表したものであるが、サルモネラ菌による子供の死亡は、日本では2002年8月依頼のことだ。
この女児は、4月8日朝に下痢や嘔吐などを発症し、同夜に意識を失い、7月9日に死亡した。患者便からサルモネラ・エンテリティディスが確認されたため、原因は発症の前日に食べた生卵の可能性が高いとみられる。
原因食品と思われる卵は4月7日午前中にパックで購入されたもので、冷蔵庫に保存されていた。一緒に食べた家族には2次感染と思われる症状が妹に現れたが一時的な症状で、他の家族には何も異状は認められなかったという。
卵を原因食品とするサルモネラ食中毒は珍しいものではない。日本では生卵を使った食品(ティラミス)が流行した頃に、特に患者が増加している。世界的にも生卵を食べる習慣がある国は少ないが、卵かけご飯に代表されるように生卵を食べる食文化がある日本では、サルモネラ菌中毒が非常に多い。
サルモネラ菌は動物の消化管に棲み着いている細菌であるが、一般に哺乳動物以外は卵が外に排出されてくる部分は、総排泄口と呼ばれるように肛門なども兼ねているので、産卵時に卵が腸内細菌によって汚染されやすい。サルモネラ菌も卵の表面を汚染することが多いので、生卵を食べる場合は割れたものを避けること、割ったらすぐに食べることが大切であるが、中には「インエッグ」といって約5000個に一個の割合で、卵の中にサルモネラ菌が存在することがある。実はこれが曲者で、多くのサルモネラ菌食中毒の原因となっているのではないかと疑われている。
日本で、卵に表示されている賞味期限はきちんと冷蔵された場合に生食できる期限として解釈しても良いが、今回の事例に関しても本当にその表示で間違っていないかしっかり検討する機会とされても良いのではないかと思われる。場合によっては卵は生食できない食品として分類される可能性も否定できない。
生卵の危険性は決して卵かけご飯だけにとどまらない。親子どんぶり、卵とじ、カツどん、ティラミスなど広い食品に及ぶ。生卵と一緒に食べるすき焼きも同じだ。
卵はたんぱく質はもちろんのこと、ビタミンやミネラルも豊富に含む栄養価の高い食品であることに違いはないが、食品衛生上、まだまだ議論しなければいけない課題が多く、現在のところ生で食べる場合は確実に安全な食品であるとはいえないという認識が必要だ。