小児高血圧症が増えている
香港衛生署によると、香港の子供(小学校5年生から中学生)の2~3%に高血圧症を認めるという。
これは今朝の新聞での報道であるが、このところ肥満児が増えている香港では当然といって良い結果だと思う。
子供の高血圧症の基準は成人のものより若干低めで判断される。中学生では大人とほぼ同じく判断しても良いが、小学生の場合は最高血圧も最低血圧も共に10mmHg程度低い値で判断しなければいけない。
高血圧症というと大人の病気という認識が強いが、最近では高血圧に限らず高血糖(二次性糖尿病)も増えているそうだ。原因の多くは大人と同じく食べ過ぎや運動不足だ。
香港の子供には肥満はいない、というのが私が香港に来た当初の印象であったことを今でも覚えている。18年も前のことであるが、そのころは日本で小児肥満や糖尿病が話題になり始めていた時期に重なる。
当時に比べて現在の香港は何が変わったのか、何が小児高血圧症患者を増やしているのか。ここ10年ほど、香港で肥満の人が非常に増えてきているという印象を強く受ける。大人だけではなく、かつてあまり見なかった小児肥満も非常に多い。なぜなのかと原因を考えてみたが、これは間違いなく食生活の変化といっても良いだろう。
マクドナルドやケンタッキーといったファーストフード店がやたらと増えている。甘い飲み物を出す店も増えており、ベビーカーの小さな子供が大きな容器に入ったジュースを両手で抱えて飲んでいる光景も目にする。あの量は、大人に換算すれば2~3リットルにもなるはずで、間違いなく糖分の摂取過剰だ。
子供に好きなように食べ、飲ませしている認識不足の大人に、子供にはかつては見られなかった病気を増やしている大きな原因がある。ゲーム機の普及もてつだって運動不足になりやすい環境をさらに悪いものへと導いていることも原因だ。しかしゲームばかりしているといって、運動不足をそのせいにしてしまいがちであるが、原因はそれほど単純ではない。。
子供の肥満には遺伝的な要因なども大きく、生活習慣ばかりが原因となっているというわけではない。食事などにも気をつけているのに、なぜ子供が太ってしまうのか、親としても原因がわからず悩んでいる人もあるはずだ。メタボリック症候群についても最近議論されるが、太っていることが必ずしも悪い訳ではない。これは子供の場合でも同じ。肥満が原因で循環器系の病気の心配はないのか、つまり血圧や血糖値などが上昇してきていないか、そこを知ることが最も大切なことだ。一度は検査してみることを勧めたい。
その意味で、今回衛生署が公表した調査結果にある血圧測定は、簡便な検査として非常に有効だと思う。