広州にてH5N1に感染したアヒルが大量死

昨日の香港の各紙の報道によると、広東省広州市番禺にてH5N1ウイルス(亜型)によると思われる感染で、9830羽のアヒルが死んだという。これは9月10日から12日にかけて9戸のアヒル養殖場で起きており、当局は13日に約3万羽のアヒルを殺処分した。

今回アヒルの大量死をもたらしたウイルスは、H5N1に近い亜型と思われているが、その毒性は従来のH5N1よりも強いものだ。(強毒性タイプ)H5N1は元来ニワトリに対しては非常に強い毒性を示しているが、水鳥や渡り鳥にはそれほどの毒性はないために、症状がでない不顕性感染の状態で彼らは運び屋としての役割を果たしている。今回疑われているウイルスはこの「運び屋」さえ殺してしまったことになる。
実はこのような水鳥への感染は2003年、2004年に中国西部の青海湖で報告されて以来、たびたび起きている。青海湖は多種類の渡り鳥の生息地として有名で、ここを通過した渡り鳥が各地に移動することで、ウイルスが世界中に伝播するのではないかと警戒されていた。

さらに今回のケースでは、鳥インフルエンザワクチンを接種されていたアヒルで起きており、ワクチンが開発された当時とは違うタイプのウイルスに遺伝子変化している可能性も考えられる。このワクチンは1回の接種で65%、2回接種して90%の効果が期待できるものであるが、今回死んだアヒルは1回接種を受けていただけなので、実際に遺伝子の変化がおきているのかどうかは、さらなる調査結果を待つしかない。

鳥同士の感染性や毒性がそのまま人間に当てはまることはないので、今回の件で慌てることはないが、インドネシアなどで人への感染がたびたび起きていることを考えると、今回のウイルスも性質が変化してきている可能性も考えておいたほうが良い。今のところ番禺では人への感染事例は起きていないようだが、今後十分に警戒監視する必要はあるだろう。またこのような村では豚も飼っていると思われるが、人のインフルエンザウイルスにも、鳥のインフルエンザウイルスにも感染するブタは、その体内で両者が遺伝子融合して新しいインフルエンザウイルス(新型インフルエンザ)をつくりだすインキュベーターの役割を果たす。今回、アヒルを殺した強毒性ウイルスが、豚にも感染していないか心配される。人のインフルエンザが流行するとその危険性がますます高くなるので、次期インフルエンザシーズンが来る前になんとしても完全に自体を沈静化させる必要がある。

現在のところ中国や香港に住んでいるからといって、特に注意しなければいけないことはない。鳥には近づかないことはこれまでと同じだ。野鳥が死んでいたりしても決して触れないようにしたいので、特に難にでも興味を示して触りたがる子供には十分注意してほしい。現在のところ、今回のウイルスに限らず鳥インフルエンザウイルスに人が感染する危険性はほとんどないと思われるが、市場などで生きた鳥を売っている場所には行かない方が無難だろう。当然のことながら調理された鳥肉には、たとえその鳥が感染していたとしても、食べた人が感染する危険性は全くないので、鳥料理を避ける必要はない。生の鶏肉を調理するにあたっては、鶏肉に触れた場合に、しっかり手洗いすることはカンピロバクターなど鳥由来の食中毒を予防する上でも大切なことだ。

通常のインフルエンザでも鳥インフルエンザでも、あるいは新型インフルエンザであろうとも、感染予防はよく手を洗うことに尽きる。外出後はもちろん、食前など必ず手洗いすることを習慣にしたい。また十分な栄養摂取、適度な運動、そして睡眠をしっかりとるなどなど身体を十分に休めて、免疫力を落とさないようにすることが大切だ。