インフルエンザ流行シーズン始まる?

首都圏を中心としてインフルエンザの流行が例年になく早く始まるかもしれない、というニュースを今朝耳にして(テレビだが見ていない)、少しインターネットで調べてみた。なんと国立感染症研究所のHPでは、今季の流行情報は11月下旬からとなっており、更新されていない。感染症研究の総本山である国立の研究所では、まだ情報としてHPに出していないことに驚いたが、それほど流行が早く始まったということかもしれない。もちろん国立感染症研究所でも常に監視はしており、今季の流行がかなり早く始まるのではないかとの情報はこの研究所から発表されている。

先月22日から28日の1週間に全国4600の医療機関から報告されたインフルエンザ患者は931人。都道府県別患者数では夏場から散発的な流行が治まらない沖縄県で274人と最高であるが、東京、神奈川などの首都圏や北海道での患者数が急増しているという。この時点での医療機関平均患者数は0.2人であるが、これは例年にくらべて格段に大きな数字だ。定点あたり(医療機関あたり)の患者数が1.0に達した時点で流行が始まったものと判断されるが、今年は例年よりかなり早まるのではないかと予想されている。

ちなみに昨シーズンの流行開始は今年の1月中旬でかなり遅かったが(過去10年で2番目の遅さ)、例年は12月中旬から下旬だ。今季はすでに首都圏で患者が急増しはじめたことを考慮すると、今月下旬から来月はじめに流行が本格化する可能性が大きいだろう。

ところで、香港のインフルエンザ流行は日本にやや遅れる。昨シーズン、香港で流行に関して衛生署から注意が出たのは2月のはじめだ。日本の流行に半月ほど遅れている。今年は日本での流行が早まっていることから、香港でも12月中・下旬には流行がスタートするのではないだろうか。

ちなみに現在日本で流行し始めたインフルエンザのタイプは昨年の流行とは異なるAソ連型(H1N1)で、今季のワクチンではAソロモン諸島株として組み込まれているものだ。

インフルエンザ予防は下記の通り。

① 人込みを避けること。無用な外出をしない。
② 換気を良くすること。
③ 手洗いの励行。うがい。
④ 適切な栄養摂取。
⑤ 十分な休養、睡眠。適度な運動。
⑥ 禁煙。
⑦ ストレスを避ける。

予防法は感染の機会を減らす(①から③)、免疫力を落とさない、増強する(④ から⑦)に分けられる。
マスクの使用は自身を感染から守るためのものではない。空気中に飛散しているウイルスは乾燥しているため極めて小さな粒子になっているため、マスクの網目を通り抜けてしまう。最近は抗菌効果をうたった商品も増えているが、過大な期待をしないほうが良いだろう。もちろん患者がマスクをすることは、咳やくしゃみなどにともなうウイルスを含んだ唾液の飛散を防ぐことができるため、他者への感染予防が期待できる。

これからの季節、忘年会やクリスマスパーティーで外食の機会も増える。多くの人が集まる閉鎖空間はインフルエンザに感染しやすい危険な場所といえる。罹ったかなっ、と思ったら早めに医療機関を受診して欲しい。もしインフルエンザと診断を受けたなら無理をしないで休むことが一番だ。インフルエンザ患者が無理して仕事していると、会社全体に瞬く間に感染を広げ、労働生産性を著しく低下させる危険性があることを、責任者もぜひ認識しておきたい。

続報(翌日11月15日)

小樽市保健所長の外岡立人先生からの情報です。
例年になく早く流行が始まった今年のインフルエンザですが、ソ連型であるとの報道があるものの、断定するのは早すぎるようです。確かに米国CDC から発表されている、米国内での流行タイプもA型H1ですが、現在国内での流行に関しては、東京都がA型(H1)亜系株としか発表しておらず、ソ連型(H1N1)である可能性が高いもののA型(H1N2)とかA型(H1N5)とかかもしれません。したがって今年のワクチンに対応できないかもしれないとの専門家の意見が出ているようです。もちろん従来型もあるのでワクチン接種は受けておくほうが良いと思われますが過信は禁物です。