レジオネラ感染
国立感染症研究所は鹿児島県にある足湯をボランティアで清掃した50歳代の男性がレジオネラ菌に感染して肺炎を発症して入院していたことを発表した。
1976年、アメリカ・ペンシルベニア州において開かれた在郷軍人会でその参加者や付近住民など200名以上に原因不明の肺炎が発生し、34人が死亡したことがきっかけで発見された病原菌がレジオネラ菌だ。
レジオネラは在郷軍人(Legionnaire)の意味。
レジオネラ症は高熱に咳や筋肉痛が伴い、進行すると呼吸困難をおこし、さらに意識障害等を併発する病気で、死亡率は高く約30%程度。日本でも毎年数名が死亡している。
温泉などの公共浴場での感染が問題となっているレジオネラ菌は、20度以上の水温で、ある種のアメーバに寄生して増殖する。本来土壌中の細菌であるが、温泉のほか一般家庭の24時間風呂での感染、あるいはビルの冷却塔等から飛散した水滴粒子(ミスト)にレジオネラ菌が含まれ、感染原因となったケースもある。レジオネラ菌は市中に広く分布しているのではないかと思われる。
日本で一時流行した?循環式24時間風呂は、レジオネラ感染が原因で販売が中止された。身近なところでは超音波式加湿器が感染源となった例もある。
昨年香港でも11件のレジオネラ感染が報告されている。もちろんこれは公式に発表されたものだけに過ぎないので、レジオネラ感染とは診断がつかなかったケースも少なくはないと思われる。
香港(中国)で問題になりそうなのは、ビルの冷却塔からの水滴の飛散とサウナだ。日本式に浸かれる浴槽があるマンションは少なく、広い浴槽で足を伸ばしたいといってサウナを利用する人も少なくはない。サウナに併設されている浴槽の温水がどのように管理されているかわからないが、もし調べればレジオネラ菌に汚染されているところも多いのではないかと思う。
もちろんレジオネラ菌を吸い込んだからといって誰もが肺炎を発症するわけではない。今回足湯で感染した男性の場合、糖尿病を患っていたので感染しやすかったようだ。免疫力が高ければ感染を恐れる必要はないが、特に免疫力が低下している乳幼児と高齢者にとっては危険性が高い。
年齢に関わらず体調がすぐれないときに、サウナに入ることは避けるべきだろう。
一般家庭では加湿器のタンクを清潔にすることくらいが感染予防法だろうか。感染事例があったか不明であるが、感染経路を考えると熱帯魚の水槽も要注意だろう。泡が出ないようなエアレーションやエアレーションの気泡から生まれたミストが室内に飛散しないような工夫が必要だと考える。