インフルエンザ対策に消毒?

イースターが終わり日本から帰ってくると、自宅マンションのエントランスドアノブやエレベーターの行き先ボタンを1時間毎に消毒しているとの表示がされていた。
エレベーターの行き先ボタンのパネルにはビニルカバーがかけられて消毒しやすいようになっていたが、突然にSARSの記憶が呼び起こされてしまった。

インフルエンザでの死亡例が相次ぎ、香港の小学校以下は感染拡大を阻止するためにイースターを待たずに長い休みに入っている。春先の天候不順が感染の拡大を招いている一因であるとも考えられるが、感染を広げやすい集団生活の場を閉鎖するという香港政府がとった措置は有効だったと思う。

しかしエレベーターボタンの消毒ははたして必要だろうか。SARSではスーパースプレッダーと呼ばれる感染力が強いウイルス保有者が触れたエレベータボタンから同宿者に感染を広げたと想像されているものの、これも確証があるわけではない。

ましてやインフルエンザ予防に現在とられている措置が有効であるとは、私自身はとても考えられない。インフルエンザは咳やくしゃみで飛散したミストが乾燥して空気中に漂い感染するという経路が主である。
もちろん手指についたウイルスによっても感染するので、手洗いの習慣化は感染予防に有効である。そうではあるものの常時消毒されているようなシステムがあれば良いかもしれないが、たかが1、2時間毎の消毒にどれだけの効果があるか疑わしく、労力の浪費に過ぎないのではないかと疑ってしまう。

現在とられている措置は、鳥インフルエンザで香港内でも野鳥が死んでいる事態や、鳥から人への感染が香港にほど近い中国内で起きていることから、新型インフルエンザ対策としてもとられているのであろうが、それにしても滑稽ともいえる対策ではないだろうか。

香港も暖かくなり、これからは一気に夏に向かう。インフルエンザは冬の病気であるという認識が強いので、このまま31日に小学校などが再開されれば、一時はパニックのようになっていた香港市民もインフルエンザのことは忘れ去ってしまうことだろう。

歴史上の新型インフルエンザは夏場に生まれてきているものもある。これからのシーズンも、新型インフルエンザ対策ということだけではなく普段の健康管理の一環として、手洗いの励行はもちろんのこと、適切な栄養摂取、十分な休養(睡眠)、ストレスマネジメントといったことに注意して過ごしたいものだ。