今年初めてのコレラ患者発生

衛生署は今年初めてのコレラ患者の発生を、4月7日に発表した。患者は26歳の女性で、水様の下痢、腹痛、めまい、吐き気を先月31日に訴え、現在はクイーンエリザベス病院に入院しているが、症状は安定している。
検査の結果、この女性はエルトール小川型コレラ菌に感染していることが確認されている。

患者は先月29日から今月2日までフィリピンを旅行しているが、フィリピンで感染したのか、あるいは香港で感染したのか、感染経路を含めて目下調査中とのことだ。
またWong Ti Sinにある自宅で同居している家族には2次感染は起きていないという。

香港では2003年7名、2004年5名、2005年5名、2006年1名、そして2007年3名というように、毎年コレラ患者が発生している。多くは香港外への旅行中に感染したものと思われるが、香港でエビを生食して感染したケースも複数報告されている。これはタイ料理店で出されたエビの刺身?が原因食だ。生のエビを背開きにして香辛料を乗せた料理であるが、このエビがコレラ菌に汚染されていたために立て続けに患者が発生したことが、以前報告されている。

コレラに限らず通常の食中毒に関しても同じことが言えるが、香港にはもともと魚介類を生で食べるという食習慣や食文化はない。このような場所で刺身など生ものを食べるには、その料理を提供できるに値するレストランを慎重に選ぶ必要があり、一般的には中華料理店で刺身を食べるなどは絶対に避けるべきだと個人的には思っている。また、たとえ日本食レストランであっても、きちんと食品管理されたところでないと、食中毒の危険性が高いと考えたほうが無難だ。

香港から出張などで東南アジア方面に出かける人は少なくないが、どこもコレラ感染に関してはリスクが高い国ばかりだ。生水はもちろん氷にも十分気をつけたい。たとえコレラ菌が食物と一緒に体内に取り込まれても、健康であれば胃酸で除菌される。ところが暴飲暴食していると胃酸濃度が低下するため、コレラ菌は胃酸のバリアーを通過してしまう。小腸に達してしまえばコレラ菌は殺されることなく、やがて大腸に到達したとたんに爆発的に増殖して激しい下痢症状を引き起こす。

旅行後に激しい下痢が始まった場合は、躊躇することなく医師の診察を受けて欲しい。また受診に際しては、症状はもちろんのこと旅行先やその日程についても詳しく伝てほしい。