サルモネラ菌

衛生状態が良い日本では、食中毒にはあまり縁がないと思われがちだが、最近日本でおこなわれた調査で、対象となった国産の鶏肉の約20%からサルモネラ菌が検出され、しかもその多くで抗生物質が効かない耐性菌であることが判明した。汚染率は英国やイタリア、スペインで同様に実施された調査で認められた汚染率4~9%を大きく上回り、日本で具体的なサルモネラ菌中毒対策を急がなければいけない結果となった。

今回の調査は比較的汚染されやすいひき肉を対象としているが、サルモネラ中毒といえば、卵が最も危険性が高いといわれている。日本人は生卵を食べる習慣がある世界的にも稀な民族。欧米では例外を除けば卵は加熱して食べるのがごく当たり前の食品であり、生卵をご飯にかけて食べるようなことはあり得ない。

今回鶏のひき肉を使った調査ではあるが、これだけ汚染が進んでいることは、卵も当然のことながら汚染されている可能性が高い。日本産の鶏卵は表面を塩素消毒しているので、殻にサルモネラ菌が付着している心配は少ないが、5000個に1個の割合で内部が汚染されている卵があり(インエッグ)、保存状態によっては、内部で増殖して食中毒を引き起こす原因となる。

ひき肉での調査でサルモネラ菌汚染が予想以上に進んでいることを考えると、インエッグのケースも大方の見方よりも多いのではないだろうか。

サルモネラ菌は70度で1分以上加熱すると完全に死滅し毒素を残すこともないので、食中毒予防のためには確実に火を通すことが最も大切だ。ひき肉が危険なのは、肉の処理過程でサルモネラ菌が内部に練りこまれてしまい、加熱不十分になりやすいためだ。肉の表面だけなら加熱されやすい。血のしたたるような焼き具合の牛肉が安全なのは、たとえ牛肉がO157のような病原菌に汚染されていても肉の内部にまで入ることがないからだ。

なおサルモネラ菌食中毒は、2007年統計で食中毒原因の第3位となっている。