風邪薬とマスク

日本の街角では最近よく「マスク姿」を見かけるようになった。はじめは花粉症の季節だからかなと思っていたところ、多くの人が風邪予防、インフルエンザ予防のために使っているという。これには驚いてしまったが、このような目的でマスクを着用するのは日本人だけで、まず欧米ではありえない光景のようだ。最近流行の立体タイプは呼吸がしやすいことなどから大変な人気のようだが、外国人が見ると、散歩中の犬が他の人や犬をかまないようにするために付けられている猿轡?のようだと笑われていることも少なくないそうだ。

ところでこのマスクにどれほどの感染症予防効果があるのか。最近のマスクは素晴らしく改良がすすみ、抗菌効果は確かに大きいようだ。しかし、すべての病原菌を自分から遠ざけようとする行為は、個人的には良いとはとても思えない。生まれてきた赤ちゃんは母親からもらった免疫がなくなると自分自身で感染しながら免疫力を獲得していく。大人でもインフルエンザのある型に感染すると、抗体ができるので少なくともその翌年には同じタイプのものには感染しにくい状態でいられるはずなのだ。ほかの多くの病気でも同じことがいえる。少なくともヒトを含む多くの動物は自ら備わった素晴らしい免疫力を持っているわけで、その能力をわざわざ自ら失うあるいは脆弱にするようなことをすることがはたして好ましいことなのか、新型インフルエンザに向けて、今の段階で良く考えていかなければいけないのではなかろうか。このままでは極端な話日本人は無菌シェルターにでも入って生活しなければいけなくなってしまいかねない。

ところで風邪薬であるが、これは服用は避けた方が良さそうだ。総合感冒薬は風邪に伴う諸症状を緩和すると謳っているが、そのそのそれぞれの症状は意味があっておきていることであり、それらを止めることが良いのか極めて疑問が大きいからだ。詳しいことはここでは触れないがもちろん解熱剤の使用に関しても、風邪でおきる38度くらいの発熱には使わないほうが良いのだ。個人差は確かに大きいが、耐えられないような状態であれば使っても差し支えはないが、風邪であれば3日ほど寝ていればとりあえず治癒するはず。無理して仕事する必要もない。

病気から逃れることは確かに大切であるが、人間の最大の武器である「免疫力」はいつまでも高い位置においておく必要がある。