手足口病流行シーズン入り
ちょうど一年ほど前から中国で持続的に手足口病が流行している。最近は香港でも患者が増えていることで、香港の衛生署では市民に感染予防の注意を呼びかけている。特にこれから真夏にかけての暑い季節は手足口病が流行しやすいので、小さな子どもを持つ親は十分に注意してほしい。
手足口病は、その名の通り手、足、口を中心に水疱や発赤など特有の症状があらわれるウイルス性疾患で、特に乳幼児の感染率が高く、患者の半数は2歳以下が占める。
エンテロウイルスが原因だが、これにはいくつもの種類があり最近特に問題になっているのは、比較的中枢神経系の障害を起こしやすい(といっても滅多におきないが)EV71型ウイルスだ。
感染発症しても有効な治療薬はなく、対症療法的な処置がとられるが、多くは数日のうちに回復する一般に予後が良い感染症だ。それでも大きな問題になるのは、感染力が強く、流行が拡大しやすいこと、そして稀ではあるものの、髄膜炎や脳炎などを起こすことがあり、死亡事例も報告されているからだ。実際に中国では今年3月までに4万人あまりの患者が報告され、そのうち18人が死亡したという。
予防接種はなく、これといった確実な予防法はないが、手洗いを頻繁におこなうなど日頃の衛生管理は感染予防の重要なポイントとなる。また便とともに大量のウイルスが排泄されるので、患者や回復後日が浅い場合は排便後の手洗いを特に丁寧におこないたい。
手足口病は、日本では5類感染症定点把握疾患に指定されており全国約3000箇所の小児科医より毎週報告されているが、学校保健法では、学校で予防するべき感染症とは指定していない。これは急性期だけ登校登園を停止しても、感染予防効果に乏しいことや、稀に見られる重症例を除けば大部分は軽症疾患であることが理由だ。また回復後もウイルスの排泄がしばらく続くことも学校など集団生活の場で感染阻止することが難しい理由に挙げられる。
流行しやすい季節がはこれからしばらく続く。小さな子供を持つ人は、家庭内の衛生管理に注意が必要だ。手洗いは手足口病に限らず、多くの感染症予防の基本でもある。