デング熱

このところ香港で立て続けにデング熱患者の発生が報告されている。昨年の発生はは42例。今年はこれまでに11例の報告なので、昨年並みの患者発生といえ、特に重症者が出ているわけでもない。すべて輸入例で香港内の感染は考えられず、主に東南アジアを旅行した際に感染しているようだ。

デング熱は熱帯亜熱帯地域ではもっとも頻繁に見られる感染症で、場合によっては風邪程度に思われることもある。それほど患者が多いわけだが、中にはデング出血熱を発症して死亡することもあるので、決して侮る分けにはいかない病気だ。

推計によると世界中で年間1億人がデング熱を発症し、25万人がデング出血熱に至るという。デング出血熱は粘膜からの出血傾向を特徴とし、全身症状からショックを起こすことがあり、国によっては患者の数%が死亡しているという。

デング熱はネッタイシマ蚊が媒介する。マラリア媒介蚊とは種類が違うが、熱帯亜熱帯地域ではごく普通に見られる蚊であり、極力刺されないようにすることしか感染予防手段はない。ワクチンは未開発だ。

熱帯亜熱帯地域に滞在する場合は、皮膚の露出を少なくし虫除けを使用するなど、蚊に刺されないように
する工夫が必要になる。これはマラリア感染の予防にもつながる。田舎に滞在する場合は特段の注意が必要であるが、最近は都市部でも流行しており、首都など都会に滞在するからといって安心はできない

デング熱は昨今の地球温暖化の影響なのか、従来感染の危険性がなかった高緯度地域(温帯地方)でも感染事例が報告されるようになってきた。これはマラリアについても同じで、今後感染危険地域の拡大が懸念されており、日本でも沖縄ではいつ患者が発生しても不思議ではないとする研究者もいる。