WHO、インフルエンザ流行フェーズ6発令か

4月下旬に、メキシコで多くの感染者が認められ、さらに多数の死者が出ていることが公表された豚由来の新型インフルエンザは、その後アメリカやカナダにも急速に感染拡大した。対岸の火事ととらえていたわけではないが、日本への侵入は水際で防ぐとして検疫体制を強化したものの間もなく飛び火して関西地方で患者が発生した。その後、短期間のうちに多くの感染者が確認され、現在もその数が日々増えている状況だ。福岡でも、やはり小中学生を中心に感染が急拡大しているが、こちらは患者に海外渡航歴はなく、最初の感染が何故始まったのか今のところ確認されていない。

日本での感染拡大の理由は議論されるところではあるが、当初、海外渡航暦がなければ症状が出ていても見逃されていたということも問題になっている。そもそも検疫で感染拡大が阻止できるかのように考えられていたことが現実的ではなかったわけで、今後もさらに感染拡大が続くことは間違いない。

さて、新型インフルエンザの流行状況に応じて発令される「フェーズ」が早ければ今晩にも大流行を表す『6』に引き上げられる可能性がある。フェーズ6への引き上げは5月中旬から議論されてきたが、これまで日本を含む各国の反対で発令できない状況にあったが、感染がさらに世界的に拡大していることから、これまで反対してきた国々にとっても自国の感染拡大でフェーズ引き上げになったと見られるような状況ではなくなった安心感から、フェーズ引き上げに従来のような反対姿勢をとることはないだろう。

フェーズ6になったからといって、即座に新型インフルエンザ流行が深刻な状況を迎えるというわけではけっしてない。これまでの流行が継続するだけだが、もちろん世界の感染者数は増え続け、それに伴い死亡者数も確実に増えていく。しかし過度に心配することはなく、もちろん過剰に反応する必要も一切ないだろう。従来どおりのインフルエンザ対策で十分だ。

日本では、季節性インフルエンザで毎年1万人が死亡していると推計されており、全世界では50万人がその犠牲になっている。その事実からすると、今回の新型インフルエンザは恐れるに足るものではなく、冷静に対処するべきものである。季節性インフルエンザへの注意を呼びかけてもほとんど反応がないことと、H1N1新型インフルエンザに対してはマスクが売り切れるほどまでにパニック的な行動に走ることは極めて矛盾している。

間もなくフェーズ6が発表される。
あわてることなく冷静に対応することが求められるだろう。