熱中症に注意

先週末は日差しが強く、湿度も高かったためにハイカーなどに熱中症患者が続出している。屋内で睡眠中に急死した症例も出ている。

熱中症は熱失神、熱疲労、熱痙攣、熱射病(日射病)というように、その病態から4種類に分類できる。

熱失神
炎天下での運動でおきやすいが、室内でも高温に多湿が加わることで発症する。大量の発汗と末梢血管の拡張による血液の循環量減少が原因。意識を突然失うが、体温の上昇は認められないことが多い。水分補給が必要であるが意識がないので輸液しなければならず、直ちに医療機関への搬送が求められる。救急隊が到着するまでのあいだ、できる限り冷却する。

熱疲労
大量の発汗があるにもかかわらず、水分や塩分の補給が十分でなかったときに発症する。体温は上昇するが、皮膚表面は冷たく感じることもある。日陰で寝かせて着衣を緩め、扇いで冷却する。少しずつでも構わないので水分の補給を行なうと共に塩分も与える。

熱痙攣
発汗とともにナトリウムなどの電解質も失う。大量に発汗するとそれだけ多くの電解質を失うが、水分だけを大量に補給していると血液に電解質異常をきたし、筋肉に痙攣や硬直がおきる。食塩水を与えるが、もちろんスポーツ飲料でも可。失われた電解質を迅速に補給することが大切。

熱射病
高温下での運動や作業は身体に様々な影響を及ぼすが温熱中枢まで障害されると体温調節が不能となってしまう。体温は40度以上に達するにもかかわらず発汗が止まり皮膚は乾燥する。危険な状態であり直ちに病院への搬送が求められる。もちろん救急隊員が到着するまでの間は、あらゆる手段を講じて患者の体温を下げるように努力すること。

熱中症の予防(特に運動時)
のどが渇いたときには脱水が始まっているので、我慢せず水分を補給する。同時に塩分の補給をした方が良い。梅干はクエン酸を多く含むので疲労回復にもなり一石二鳥だ。スポーツドリンクは意外に多くの糖分を含み、かえって喉が乾く。極薄い塩水(0.9%)を用意するのが一番かもしれない。山歩きなどでは途中で飲み物を調達できないことが多いので、あらかじめ十分な水分を準備しておくこと。この場合あまりにも冷たいと胃痙攣を起こすこともあるので、氷水のようなものは一気飲みを避けること。山歩きにかぎらず運動時には扇子を持っていたい。休憩時に体を冷やすのに便利であるが、熱中症患者が出た場合に、患者の体を冷やすのにとても効率が良い。

熱中症患者が出てしまったら、とにかく患者の身体を冷やすこと。日陰に移動し、着衣を緩めて全身に水をかける。様子を見て、躊躇せずに救急車を呼ぶこと。熱中症患者、あるいはその可能性がある症状を訴えた人がいたら、一緒に行動しているほかのメンバーにも同様に身体的負担がかかっているはずなので、ただちに運動を中止することが望ましい。ハイキング中であればコースを最短のものに切り替えるべきだ。

睡眠不足や運動前夜の深酒も熱中症を誘引する。また下痢をしている場合はもちろんであるが、回復直後でも、すでに脱水が起きている可能性があるので暑い時期の運動には不適だ。

夏のレジャーと熱中症は背中合わせ。運動時の熱中症対策は当然として、日頃の体調管理にも十分に心がけておきたい。事故だけは絶対に起こしてはいけない!

熱中症は屋外でおきるものと思いがちだが、実は自宅で起きることも珍しいことではない。老人や赤ん坊などは体温調節機能が劣っているので、特に注意が必要だ。室温の管理はもちろんだが、水分の補給なども忘れてはいけない。