O(オー)157食中毒でステーキチェーン休業

数年前に大きな問題となった病原性大腸菌O157による食中毒で、日本の某ステーキチェーンが全店舗で休業している。

原因となった食品は「角切りステーキ」。同じ食品加工会社で製造された問題の角切りステーキは、当該のステーキチェーン全店舗に配送され、各店では、鉄板の上で客が自ら焼いて食したという。原因菌は7都府県の7店舗で食事をした11名の客から検出されている。

角切りステーキが実際何であったのか、当のレストラン本部に確認してみたが、成型肉であるとの担当者の回答に合点した。成型肉は、テンダライズ処理(筋切り、細切り)、タンブリング処理(味付け)、さらに結着処理(肉の塊にする)によって加工された肉で、この行程で内部まで食中毒菌(O157)に汚染される事がある。成型肉加工は、質の悪い肉を「美味しく」食べることができる手段として一般的に行なわれている加工である。もちろんこの加工自体が悪いわけではない。

牛肉ステーキがレアでも食べる事ができるのは、たとえO157菌に肉の表面が汚染されても、内部にまで汚染が浸透する事がないためだ。したがって表面さえきちんと焼けていさえすれば、牛肉による食中毒の危険性は極めて低いいといえる。

病原性大腸菌O157は、家畜の消化管内に棲息しているが、牛などには病原性はなく共存している状態にある。家畜処理の段階で食肉がO157に汚染される危険性が高く、加工に際しては十分な注意が払われるべきだが、完全に汚染を防ぐことは難しい。消化管と同時に取り出される肝臓(レバー)は特に汚染されやすい。レバーを生で食べることは極めて危険性が高く、飲食店で客に出すべきではない食品の筆頭ともいえるものだ。もちろん、たとえレストランのメニューにあったとしても、注文するべきではない。問題となる食中毒菌は異なるが、鶏レバーも同じだ。

成型肉ではないが、ハンバーグも食中毒を起こしやすい。病原性大腸菌O157による大規模な食中毒事件は、米国オレゴン州、ミシガン州で1982年に初めて報告されているが、このときの原因食品はハンバーガーだった。

子供が好むメニューの代表ともいえるハンバーグ。一般家庭でも手作りされるが、過熱に際しては中心部までしっかり火が通っている事を必ず確認したい。病原性大腸菌O157に子供が感染すると重症化しやすい。食中毒の発生件数は、レストランではなく一般家庭が最も多いということを念頭に、O157に限らず、家庭での食中毒予防には常に気を配りたいものだ。