新型インフルエンザ情報

2009年10月11日現在、世界各国から、新型インフルエンザ(H1N1)の確定症例として39万9232人以上、4735人を超える死亡例がWHOに報告された。多くの国や地域が症例数の把握を止めているので、実際に発生している数よりも顕著に少ない数字になっていると思われる。WHOでは地域事務局や加盟国との頻繁な協議や複数のデータのモニタリングを通して、流行の経過を積極的に監視している。

北半球の温帯地域では、インフルエンザ様疾患の患者数が増え続けており、得に北米では、米国での発生数が、従来の季節性インフルエンザの発生状況を完全に超えて増加しており、その多くは新型インフルエンザとして報告されている。さらにカナダでも3週連続でインフルエンザ様疾患の増加が報告され、洲によっては著しい増加となっている。

西ヨーロッパや北アジアでもインフルエンザ様疾患の患者数は増え続け、数カ国では患者数増加が顕著となっている。ただし北米ほどの広がりにはなっていない。

熱帯地方の発生状況は、患者数が増加している国と減少している国が混在している。カリブ海地域では患者の増加が報告されているものの、南米大陸や南アジアでは多くに国で減少してきている。

なお、冬季に大流行した南半球の温帯地域では新型インフルエンザのウイルスはほとんど検出されていない。

中国で検出されたインフルエンザウイルスのうち半数近くが季節性インフルエンザウイルス(H3N2)であることが注目するべき点としてあげられる。従来のインフルエンザシーズンに先行して出現し新型インフルエンザと同時に流行していることになる。

ところで、最近は死亡率に関してあまり報道されないが上記のWHO報告から単純に計算すると、新型インフルエンザの死亡率はおよそ1.2%になりかなり高い数字になるが、患者の多くが報告されていない点を考えると、この数字を相当下回ると考えられる。

先月、米ハーバード大学等の研究チームがまとめた研究報告によると、その死亡率は0.045%であり、季節性インフルエンザとほぼ同じとしている。これは米ミルウォーキーなど2市で入院した患者、入院していない患者のデータを元に、通院しなかった人も含めた発症者を推計している点で、信頼性が高いものとなっている。従来は確定診断を受けた患者に対する死者の割合を致死率として計算しており、その数字が一人歩きしていた。

上記にある二つの死亡率(1.2%と0.045%)の乖離率26.7倍を、WHOが今回公表した患者数にかけると1千万人を超える数字になり、漠然としたものではあるものの感覚的な患者数に近いものになる。(あくまでも私の個人的な感覚です)

南半球の新型インフルエンザ流行は、ひとまず収まっているが、北半球の流行は、季節性インフルエンザの流行と重なってくるため、引き続き厳重な警戒が必要だ。オーストラリアやニュージーランドでは、病院のベッドが足りなくなる事態も起きており、北半球でも早急な対策が求められる。

香港での新型インフルエンザ予防接種の接種計画は来月公表される。優先順位が低い一般に回って来るにはかなりの時間を要すると思われ、それまでに患者数はますます増えることになるだろう。感染者がある程度増えてピークを迎えると、後は収束に向かう。予防接種を待っているあいだに知らず知らず感染してしまうことも十分考えられること。手洗いなど感染予防を積極的に行なうとともに、免疫力を落とさないようにすることも大切だ。患者数が急激に増えていることから、感染の機会はどこにいてもあると考えていたほうが良いだろう。しかし、その毒性から考えて、感染をいたずらに恐れて神経質になる必要などまったくない。