食中毒関連情報
香港の某日系レストランでのこと。注文して出てきたハンバーグを食べようとしたら中がまだ生の状態。日本人のスタッフにもっと火を通してもらえるよう頼んだところ、「焼き具合に注文がなければレアで出している」との返事が返ってきたとのこと。
私が直接経験した話ではないが、このようなことは店にとって重大な問題であり、ただちに従業員教育を行わなければ深刻な食中毒事件になってしまう危険性がある。
表面だけ焼いたレアの状態の食べることができるのは牛肉ステーキだけ。ミンチ状態にしてから固めるハンバーグでは、牛肉表面を汚染していたO157などの病原大腸菌が中まで混ぜ込まれてしまうので、完全に火が通っていなければ食中毒の危険性が非常に高くなるわけだ。ハンバーグは中まで確実に火を通さなければいけない食品であることは常識であり、もし飲食店にその知識がないとなると問題は極めて大きい。
加熱不完全なハンバーグが、もし豚肉との合挽を使ったものであれば豚由来の病気、たとえば危険な寄生虫・有鉤条虫の感染リスクが生じる。さらにミンチをこねていたまな板などで、その前に生の鶏肉を調理していたとなると、キャンピロバクター菌による食中毒感染の可能性もでてくる。
とにかくハンバーグは完全に火が通っていなければいけないことだけは覚えておきたい。
寒くなってきたので鍋料理を食べる機会も多くなる。鍋は食材の加熱時間を自分で調節することができるが不完全加熱には十分注意したい。特にカキは調理加減が分かりにくい。加熱しすぎるとおいしくないといわれるが、少し煮過ぎくらいにしておいたほうが無難だ。カキをはじめとする海鮮ではノロウイルス中毒の危険性がある。冬場に発生する食中毒はウイルス性、つまりノロウイルス中毒が非常に多くなる。
ノロウイルスは患者のおう吐物や下痢便から飛散したミストが室内の空気を汚染し、簡単に2次感染を成立させてしまう。家族内で激しいおう吐や下痢を訴える人がいたら要注意だ。それらの処理にあたっては必ずゴム手袋とマスクを着用しておきたい。
香港では夜うす暗い中でバーベキューすることもある。今の季節は寒いのでそのような機会が少ないかもしれないが、暗いので食材の焼け具合が分かりにくい。特に鶏肉など生で食べてしまうことがないようにしなければいけない。
昔は食中毒に季節性があったが、現代では食中毒発生と季節にはそれほど強い関係はない。
年中食中毒には注意を払うことが必要であるが、これは食事を提供するレストラン従業員(経営者)だけに限られることではなく、広く一般の人にもいえる注意事項だ。